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2012年10月15日 (月)

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(6)(日本学術会議の検討報告への疑問Ⅱ) 

利根川流域市民委員会は2012年10月16日に開催される利根川・江戸川有識者会議に対し、6つ目となる追加要請を行いました。委員には事前送付を行い、会議当日の配布を依頼します。

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2012年10月16日
利根川・江戸川有識者会議
  委員 各位
 利根川流域市民委員会
  共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
         嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
         浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
       連絡先 事務局(深澤洋子)略
              
利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(6)
(日本学術会議の検討報告への疑問Ⅱ) 

10月4日の有識者会議において小池俊雄委員から、当市民委員会が提出した「要請(4)(日本学術会議の検討報告への疑問)」に対して説明がありました。市民側の疑問に対して真摯に回答していただき、ありがとうございました。

しかし、私たちの疑問はいまだに解消されていません。再度、主な疑問点を記しますので、疑問が解消できるように丁寧にご説明くださるよう、お願いいたします。

1 分布型流出モデルの再現性への疑問
(1) 実績洪水を再現できない分布型流出モデル

  学術会議分科会では、貯留関数法より新しい手法である分布型流出モデルによる計算も行われました。分科会ではこの分布型モデル(東大型と京大型)でも、貯留関数法と同様の結果が得られたとして、基本高水流量を妥当とする有力な根拠としましたが、しかし、それらの計算結果を見ると、東大型、京大型のいずれも実績洪水の再現性が良好ではありません。「要請(4)」では、東大型モデルの計算結果(次ページに再掲)において、実績と合っているのは、昭和33年洪水だけであって、34年洪水、57年洪水、平成10年洪水は計算流量と実績流量が少なからず離れており、過去の洪水を正しく再現できるモデルではないことを指摘しました。
そして、東大型モデルの計算結果について実績ピーク/計算ピークを求めると、昭和34年115%、57年96%、平成10年86%で、近年になると、実績ピーク/計算ピークが低下する傾向が明らかに見られ、森林の生長による土壌層の発達で保水力が向上してきたことを示唆していると、「要請(4)」で指摘しました。

(2) 小池委員の説明
上記の指摘に対し、10月4日の会議で小池委員は、概ね次のように説明されました。
「東大型の分布型流出モデルは、昭和年代中ごろから現在までの流量の長期的な経時変化を再現することに成功している。適合度の指標が0.7以上あるべきところ、0.85の値が得られており、再現性は高いと評価できる。
平成10年洪水についての乖離を問題にしているが、この程度のずれはあるものであり、東大型モデルの再現性は良好である。」

Koike

(3) 東大型モデルは平成10年洪水では実績よりも十数%も過大
分布型流出モデルは、洪水時だけでなく、非洪水時も含めて、流量を長期間連続的に計算できることにも利点があるようですが、肝心の洪水時の再現性が良好でなければ、基本高水流量の是非を判断するモデルとしての意味がありません。

東大型モデルで再現性を確認した4洪水において、流量が最も大きく、現在に近いのは平成10年洪水です。この平成10年洪水については上述のように、実績ピーク/計算ピークは86%にとどまっています。

86%という値は、「この程度のずれはあるもの」として看過できるほど、乖離が小さなものではありません。

東大型モデルによる昭和22年洪水の計算結果は、20,450~21,955 ㎥/秒でした。平成10年洪水と同様に、真値がこの86%とすれば、17,590~18,880㎥/秒になります。

国交省が貯留関数法の新モデルで算出した昭和22年洪水の計算値21,100㎥/秒よりも、2,220~3,510㎥/秒も小さい値になります。

このように、東大型モデルは、国交省の新モデルによる昭和22年洪水の計算値21,100㎥/秒を裏付けるものでは決してありません。

むしろ、東大モデルによる計算結果は昭和22年洪水のピーク流量が、それより2,220~3,510㎥/秒も小さい可能性が高いことを示しているのです。

小池委員が以上のことを否定されるならば、言葉だけではなく、具体的なデータで否定の根拠を示されるようにお願いします。

2 その他の疑問
(1) カスリーン台風洪水の実績流量と計算流量の乖離

 ① 「要請書(4)」の指摘
「要請書(4)」で次のことを指摘しました。
「カスリーン台風洪水の実績流量は公称で17,000㎥/秒、正しくは約15000㎥/秒です。一方、新モデルによるカスリーン台風洪水の計算流量は21,100㎥/秒で、実績流量を4,000~6,000㎥/秒も上回っています。国交省は、この差は八斗島地点より上流で氾濫したとしていますが、こんなに大量の洪水が氾濫するところはなく、実績流量と計算流量の乖離は解明されないままになっています。
 学術会議分科会の公開説明会でも、小池委員は、メカニズムの理解から21,100㎥/秒を妥当としただけであって、事実面からの裏付けがないことを認めています。」

② 小池委員の説明
上記のことに関して,10月4日の会議で小池委員は次のような趣旨の説明をされました。
「氾濫の問題は確かなデータがないところで検討している。21,100㎥/秒と17,000㎥/秒の差については烏川と鏑川の合流点において、河道域の拡大が洪水ピーク流量に与える影響を分析したが、これはメカニズムを検討したものであり、実証までには至っていない。」

③ 確認事項
学術会議分科会の公開説明会および10月4日会議での説明をお聞きすると、新モデルによるカスリーン台風洪水の計算流量21,100㎥/秒と実績流量17,000㎥/秒(公称値で、正しくは約15,000㎥/秒)との差については説明できるデータはなく、未解明のままであるということになります。そのように理解してよろしいでしょうか。

(2) 森林生長に伴う保水力向上による洪水ピーク量の低減

 ① 「要請書(4)」の指摘
「要請書(4)」で次のことを指摘しました。
学術会議分科会は森林生長に伴う保水力向上による洪水ピーク量の低減を否定しました。その理由は、小池委員が9月25日の会議で発言されたように、また、分科会の公開説明会配布資料に記されているように、「土壌の発達と流出の関係を示すモデルは未だ開発されていない」ことにあります。
しかし、それは洪水流出モデルの開発が遅れていること、すなわち、研究者側の問題によることであって、そのことをもって、森林生長に伴う保水力向上による洪水ピーク量の低減をどうして否定することができるのでしょうか。明らかに論理が飛躍しています。

そして、東大型の分布型流出モデルの計算結果が森林生長に伴う保水力向上による洪水ピーク量の低減を明確に示しています。すなわち、東大モデルの計算結果から、実績ピーク/計算ピークを求めると、昭和34年115%、57年96%、平成10年86%で、近年になると、実績ピーク/計算ピークが低下する傾向が明らかに見られます。そのことは、森林生長に伴う保水力向上による洪水ピークの低減を物語っています。

② 確認事項
上記のことに関して、10月4日の会議では小池委員からの説明はありませんでした。①の指摘についてご異論があれば、改めてご説明をお願いします。

(3) 洪水流出の引き伸ばし計算の問題
 ① 「要請書(4)」の指摘

「要請書(4)」で次のことを指摘しました。
洪水流出計算モデルは実際にあった規模の洪水のデータからつくられますが、それをもっと大きな規模の洪水に適用できるのかという疑問は分科会の議論の中でも指摘され、四洪水の計算例が示されました。その計算例を見ると、実績中規模の洪水から求めたモデルの計算結果は、実績最大規模の洪水から求めたモデルの計算結果を上回っています。二つの洪水の過大率は10~11%にもなっています。

この実績最大規模洪水は近年最大の平成10年洪水で、実績中規模洪水より1.1~1.2倍程度の規模です。したがって、カスリーン台風洪水は近年最大の平成10年洪水よりもさらに1.5倍以上の規模とされていますから、平成10年洪水に当てはまるような洪水流出モデルからカスリーン台風洪水を計算すれば、誤差は11%を超えて、さらに大きく乖離していくことを意味します。
この引き伸ばしによる過大計算の問題はカスリーン台風洪水の計算結果の信頼性に関わる根本問題です。ところが、学術会議分科会は「世界的にも未解決の問題」として棚上げにしてしまいました。

② 確認事項
上記のことに関して、10月4日の会議では小池委員からの説明はありませんでした。①の指摘についてご異論があれば、改めてご説明をお願いします。

(4) 総合確率法への疑問

① 「要請書(4)」の指摘
「要請書(4)」で次のことを指摘しました。
日本学術会議第5回分科会で次の通り、総合確率法の根本的な問題点が東京大学の沖大幹委員から指摘されました。
「総合確率法は学術的な研究成果に基づくものなのか。ある生起確率に基づく降水量とそのときの時空間分布については学術的な検討が十分なされていない。総合確率法の中で平均を取るということは降雨の時空間分布が等確率であることを前提とする。そうしてよい理屈があるか。科学的に明らかになっていない仮定を前提とする手法に対して、学術会議が合理的であると回答してよいのか。」(第5回分科会の議事録5ページ 下から1~6行目)
この指摘に対して、学術会議の検討結果は、「妥当性はある。」と答えるのみで、「降雨の時空間パターンがそれぞれ独立であるという仮定」を裏付ける科学的な根拠を何も示しませんでした。

② 小池委員の説明
上記のことに関して,10月4日の会議で小池委員は次のような趣旨の説明をされました。
「基本高水流量を求める従来法は、特定の降水パターンしか見ないのに対して、総合確率法は計算対象の降水パターンの全部を見るもので、恣意性を避けた合理的な方法である。
 総合確率法は降雨の時空間分布に独立性があることが成立条件であるが、関東地方のように様々な降雨パターンがあるところでは独立性があると考えてよいのではないか。この点を気象庁気象研究所の鬼頭昭雄委員に見解を求めたところ、独立性があると見てよいということであった。」

③ 確認事項
総合確率法は関東地方整備局が示した目標流量17,000㎥/秒が治水安全度1/70~1/80に相当するという根拠にもなっていますので、総合確率法が本当に科学的な方法であるのか、徹底的に検証する必要があります。
多くの河川で用いられている基本高水流量算出の従来法(10程度の数の洪水流量引き伸ばし計算結果の上位群から計算者が選択する方法)はきわめて恣意性が高い方法であり、それと比べて、総合確率法はその面での恣意性がないことは確かです。しかし、それは比較対象の従来法に問題がありすぎるからであって、そのことが総合確率法に合理性があるという根拠にまったくなりません。
降雨の時空間分布に独立性があることが総合確率法の成立条件です。しかし、その独立性については「あると考えられる。」という程度の裏付けしかなく、根拠となるデータは10月4日の会議でも何も示されませんでした。
また、総合確率法は雨量確率を流量確率に置き換えて計算しますが、そのような置き換えができるという科学的な根拠も示されていません。
要するに、総合確率法が使い勝手がよいから使われているだけであって、その合理性を示す科学的な根拠データは何もありません。
以上のように理解せざるを得ないのですが、ご異論があれば、改めてご説明をお願いします。

(5) 貯留関数法の基礎式の問題

 ① 「要請書(4)」の指摘
「要請書(4)」で次のことを指摘しました。
貯留関数法の基礎式は左辺と右辺の次元が異なり、物理的な意味を持たない式であるという指摘がされています。9月25日の会議で小池委員はこのことに関して、新モデルはその問題を克服して、次元は合っていると説明しました。
 しかし、当日の配布資料に書かれている貯留関数法の基礎式は右に示す通り、従来の貯留関数法の基礎式と変わるところはなく、左辺と右辺の次元は異なったままです。
Photo


② 小池委員の説明
上記の指摘に対して、10月4日の会議で小池委員は次のような趣旨の説明をされました。
「貯留関数法の新モデルでは、左辺と右辺の次元が異なる問題は解消されている。星清氏の研究によれば、マニングの公式を組み込むことにより、pが0.6に収れんする条件では、右辺と左辺の次元は合うようになる。」

③ 確認事項
星清氏の論文「雨水流法と貯留関数法との相互関係」(第26回水理講演会論文集1982年2月)を読んでみたところ、貯留関数法の基礎式で次元が合うのは、星氏が理論的に求めたKを使用し、且つ、pが0.6の場合であることがわかりました。
しかし、新モデルではKは星氏のやり方とは全く別の方法で求められています。また、新モデルの39小流域のpは0.300~0.656の範囲にあって、0.6の小流域はありません。
したがって、新モデルの基礎式において左辺と右辺の次元が異なる問題はやはり解消されていません。
以上のように理解せざるを得ないのですが、ご異論があれば、改めてご説明をお願いします。

以上

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(5) (事務局の主導を排して有識者会議の主体性のある審議を!)

利根川流域市民委員会は2012年10月16日に開催される利根川・江戸川有識者会議に対し、5つ目となる追加要請を行いました。委員には事前送付を行い、会議当日の配布を依頼します。

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2012年10月16日
利根川・江戸川有識者会議
  委員 各位
 利根川流域市民委員会
共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
       連絡先 事務局(深澤洋子)略
                 
利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(5)
  (事務局の主導を排して有識者会議の主体性のある審議を!) 

9月25日、10月4日の有識者会議を傍聴した市民が目の当りにしたものは、有識者会議の審議が事務局(国土交通省関東地方整備局)の主導で行われ、有識者会議の主体性が大いに損なわれていることでした。審議会の類いは数多くありますが、今回の有識者会議のように、事務局が委員を蔑ろにして、委員の意見は聞きおくだけでよいと露骨な姿勢を見せるのは、今までほとんど例がないのではないでしょうか。そして、実りある審議が疎かにされていることにより、策定が予定されている河川整備計画の内容は事務局の思惑だけのものになり、現在及び未来の利根川流域住民の安全を本当に守る計画とは程遠いものになろうとしています。

利根川・江戸川有識者会議の委員の皆様におかれましては、事務局の主導を排し、自らの主体性をもって、審議を進めることを強く期待いたします。

つきましては、次に示す課題に取り組んでくださるよう、要請いたします。

1 有識者会議の主体性ある運営を!
(1)公然と越権行為をする泊宏河川部長

10月4日の有識者会議で傍聴者の発言を認めるか否かの採決が行われようとしたとき、事務局の総責任者である泊宏河川部長は「そのようなことは、事務局が決める」という趣旨の発言を行い、採決を中止させようとしました。しかし、そのような事務局主導の根拠が有識者会議の規約のどこに書かれているのでしょうか。

規約第9条(雑則)には次のように記されています。

「この規約に定めるもののほか、会議の運営に関し必要な事項については、委員総数の2分の1以上の同意を得て行うものとする。」

傍聴者の発言を認めるか否かという、会議の運営に関する事項は、有識者会議の委員が所定の手順を踏んで決めることになっており、泊河川部長の上記の発言は明らかに規約を無視した越権行為です。
有識者会議として、泊河川部長に対して越権的発言を行ったことに強く抗議し、二度と繰り返さぬよう、警告することを要請します。

(2)事務局の役割は会議運営の庶務にとどまる。

有識者会議における事務局の役割は規約7条の2で、「事務局は、会議運営に係る庶務を処理する。」と書かれているように、あくまで会議運営に係る庶務です。有識者会議の指示に基づいて、会議運営が円滑に行われるように庶務を担うのが事務局であり、会議の運営を主導することは明らかに越権行為です。有識者会議として事務局の専横を許すべきではありません。

泊宏河川部長は、9月上旬までは国土交通省水管理・国土保全局の河川計画調整室長の職にあって、ダム検証のために設置された「今後の治水のあり方を考える有識者会議」の事務局の総責任者でありました。この有識者会議の一般公開を求める要請文が全国の多くの市民から何度も提出されてきていますが、それに対して泊氏らは公開の可否は有識者会議が決めることであり、国交省に主導権はないと、会議の公開を拒絶してきました。ところが、泊氏は利根川・江戸川有識者会議では全く逆に、運営の主導権は有識者会議にはないという趣旨の発言を繰り返しています。国交省にとって都合がよいように、その場その場で発言内容を変える泊氏に対して強く抗議します。

(3)有識者会議の運営の主導権は有機者会議の委員にある。
(1)と(2)で述べたように、有識者会議の運営の主導権は、有識者会議委員にあります。本有識者会議の委員におかれましては、そのことを改めて認識され、有識者会議の運営に主体的に関わられることを要請します。

2 有識者会議は意見を聞きおく場ではなく、議論を行い、一定の方向性を示す場である。(1)有識者会議は事務局が委員の意見を聞きおく場ではない。
10月4日の有識者会議で、泊宏河川部長は「有識者会議は委員の意見を聞く場」に過ぎないという趣旨の発言をし、それに呼応して、宮村忠座長は、「有識者会議は事務局が委員の意見を聞く場である。個別に委員の意見を聞いてもよいくらいだ。」という趣旨の発言をしました。

何という発言でしょうか。泊部長および宮村座長の発言は、有識者会議の役割と責任を真っ向から否定するものです。議論することの必要性をも否定する宮村座長は座長を務める資格がないと言わざるを得ません。

有識者会議や審議会というものは、各委員が意見を述べ、議論を行って認識を深め、そのうえで一定の方向性を示すものであることは一般に認識されていることです。それは社会常識とも言ってよいことです。

利根川・江戸川有識者会議のみがこの社会常識から離れ、意見を聞きおく場とすることが罷り通ってよいはずがありません。

本有識者会議の委員におかれましては、上記の泊部長及び宮村座長の発言に強く抗議し、発言の撤回を求めることを要請します。

(2)有識者会議は議論を行い、一定の方向性を示す場である。
河川整備計画の最終的な決定権が河川管理者、利根川の場合は関東地方整備局にあることはいうまでもありません。しかし、その策定の過程で、学識経験者及び流域住民の意見を聴かなければならないことが河川法で定められ、さらに、1997年の河川法改正の国会審議において、意見を聞きっぱなしにするのではなく、極力反映しなければならないことは、当時の河川局長の答弁で言明されていることです。有識者会議の意見を聞くだけでよいとする泊河川部長は、河川法の本旨及び国会答弁を蔑ろにするものです。

本有識者会議の委員におかれましては、有識者会議が、各委員が意見を述べ、議論を行って認識を深め、そのうえで一定の方向性を示すものとして設置されたものであることを改めて認識され、委員同士で活発な議論を行い、一定の方向性を示されることを要請します。

3 関東地方整備局の目標流量は現実性のない机上の数字
(1)現在の財政規模で考えるという泊宏河川部長の発言は現実を無視している。

10月4日の有識者会議において、関東地方整備局が示す利根川本川の治水安全度1/70~1/80、洪水目標流量17,000㎥/秒(八斗島地点)がどのような前提で求められたものかという質問に対して、泊宏河川部長は現在の財政規模を前提として考えたものであると、答えました。

しかし、現在の財政規模による社会資本投資が今後も続く保証は何もなく、今後は新規の社会資本投資が次第に先細りになっていかざるを得ないことは今や広く認識されています。平成21年度の国土交通白書に次のように記されています。(第2章第1節1(2))

「これまで我が国で蓄積されてきた社会資本ストックは、高度経済成長期に集中的に整備されており、今後老朽化は急速に進む。50年以上経過する社会資本の割合は、現在(2009年)と20年後を比較すると、例えば、道路橋(約8%→約51%)、水門等河川管理施設(約11%→約51%)、下水道管きょ(約3%→約22%)、港湾岸壁(約5%→約48%)などと急増し、今後、維持管理費・更新費が増大することが見込まれる。」

この白書は、国土交通省所管の社会資本を対象に、過去の投資実績等を基に今後の維持管理・更新費がどのように推移していくかの試算の結果を右図のとおり、示しています。

Inf

今後の毎年の社会資本投資の総額が2010年度以降増額できず、同年度のままであるとすると、維持管理・更新費が投資総額に占める割合は2010年度時点で約50%であるが、次第に上昇し、2037年度時点で投資可能総額を上回り、新規の社会資本投資ができなくなる事態になるとしています。

現在及び今後の厳しい財政事情を踏まえれば、国土交通白書の試算よりもっと早く新規の社会資本投資が困難になる時期が来る可能性が十分にあります。

このように、日本の社会資本が置かれている現状を踏まえれば、社会資本ストックの更新と維持管理のため、新規の社会資本投資が次第に先細りにならざるを得ないことは確かな事実です。そのことを何も踏まえずに、現在の財政規模による社会資本投資が今後も続くという前提で考えられた、関東地方整備局提示の治水安全度及び洪水目標流量は現実性のない机上の数字でしかありません。

(2)治水安全度を先に決めることは河川整備計画策定の手順として基本的に誤っている。
そもそも、治水安全度及び洪水目標流量を先に決めてしまうことは河川整備計画策定の手順として基本的に誤っています。

治水安全度1/70~1/80を達成するためにはどの程度の規模のどのような河川施設が必要か、その建設にどの程度の費用と時間がかかり、さらに環境への影響がどうなのかを同時に示さなければ、その治水安全度の是非について判断することができません。

関東地方整備局がそれらを一切示さずに治水安全度及び洪水目標流量を先に決めようとするのは、同局の思惑があるからに他なりません。昨年行われた八ッ場ダム事業の検証で、治水安全度1/70~1/80及び洪水目標流量17,000㎥/秒を前提として、八ッ場ダム事業を位置づけ、同ダム事業の継続を妥当としました。〔補遺〕
治水安全度1/70~1/80及び洪水目標流量17,000㎥/秒が八ッ場ダム事業の正当化に直結するようになっているのが、同局の考える河川整備計画案であり、だからこそ、治水安全度を先に決めようとしているのです。
有識者会議の委員におかれましては、このような関東地方整備局の思惑とは離れて、治水安全度を先に決めるのではなく、何段階かの治水安全度を想定し、それぞれの治水安全度の達成に必要な河川施設の種類と規模、その整備に必要な費用、その社会資本投資を今後続けることの現実的な可能性、そして、それに伴う環境への影響等を総合的に考え、あるべき利根川水系河川整備計画についてしっかり議論されることを要請します。

〔補遺〕治水安全度Ⅰ/50から1/70~1/80への引き上げは根拠がない。
2006年~2008年に進められた利根川水系河川整備計画の策定作業で関東地方整備局が示した治水安全度は本川1/50でした。それを前提として、有識者会議でも意見が述べられていました。ところが、今回の関東地方整備局の案では何の説明もなく、1/70~1/80に変わっています。なぜ、治水安全度が引き上げられてしまったのか、不可解です。

その理由を示してほしいという委員からの質問に対して、事務局が10月4日の会議で出した資料は次のものでした。

八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第1回幹事会)
「○埼玉県県土整備部長代理
同じく埼玉県の高沢でございます。
利根川は、過去にカスリーン台風の洪水でも本県を含めまして重大な被害をもたらしております。また、現在でも一旦決壊をすれば、首都圏に大きな被害が生じると思っております。また、本県につきましては、本県の東側の地域でございますが、利根川よりも低いところに人と資産が集中しております。このため、利根川の治水安全度は埼玉県にとりましても非常に大切でございますので、このようなことから適切な治水安全度を設定するように検討していただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。」

しかし、この議事録では、埼玉県は適切な治水安全度の設定をと述べているだけであって、引き上げるべきだという趣旨のことは一言も言っていません。

このことは、治水安全度Ⅰ/50から1/70~1/80への引き上げは根拠が何もなく、関東地方整備局の思惑だけで行われたものであることを明白に示しています。

(3)流域住民の安全を確保するための喫緊の治水対策を優先すべきである。
関東地方整備局の思惑による利根川河川整備計画の案は、八ッ場ダム等のダム事業をはじめとして、築堤、河道掘削、大規模な堤防強化、遊水池、ダム再編事業などに巨額の河川予算を使い続けることを前提としています。しかし、これからは(1)で述べたように、新規の社会資本投資可能額が先細りしていく時代ですから、早晩、巨額の河川予算を使う河川行政が暗礁に乗り上げてしまうことは必至です。
利根川流域住民の安全を真に確保できる喫緊の治水対策を厳選して、そこに河川予算を集中して投じるようにしていかなければなりません。そうしなければ、利根川流域は氾濫の危険性がある状態が半永久的に放置されてしまいます。
そのことを踏まえれば、利根川水系河川整備計画の策定において、利根川流域住民の安全を真に守る喫緊の対策とは何か、そのことを有識者会議は真剣に議論しなければなりません。そのうえで、環境にも十分に配慮した、利根川河川整備計画の正しい方向性を示すべきです。そのことが本有識者会議の委員に課せられた使命であると言っても、過言ではありません。


4 利根川水系全体の河川整備計画の策定を!
(1)河川整備計画策定の基本ルールの遵守

利根川には大きな支川がいくつもあり、それらの支川も含めて、河川整備計画を策定しなければなりません。支川と本川は相互に関係しており、特に支川の状況が本川に影響するので、両者を切り離して河川整備計画を策定することは、科学的見地から見てあってはならないことです。全国の水系でもほとんどは水系全体の河川整備計画が策定されてきました。例外として石狩川は各支川、本川ごとに河川整備計画を策定しましたが、その場合も本川の策定を最後にしています。
そのことは、河川法の運用の通達「河川法の一部を改正する法律等の運用について」にも次のように明記されています。
「一 河川整備基本方針及び河川整備計画について
2 河川整備計画の策定について
① 河川整備計画の策定単位
 河川整備計画は、河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について定めるものであり、その策定単位は、一連の河川整備の効果が発現する単位として原則以下のとおりとすること。
イ 一級河川の指定区間外は、水系ごとを基本とすること。         」

ところが、関東地方整備局は、本有識者会議が分担する利根川本川、すなわち、利根川・江戸川の河川整備計画だけを先に作ろうと考えています。しかし、それは上述のように、河川整備計画策定の基本ルールを無視したものであり、河川法の運用の通達にも違反することです。

2006年11月~2008年5月に行われた利根川水系河川整備計画の策定作業では、利根川水系を利根川・江戸川、鬼怒川・小貝川、霞ケ浦、渡良瀬川、中川・綾瀬川の五つのブロックに分け、それぞれに有識者会議を設置しました。今回も五つの有識者会議を開いて、それぞれ議論を進め、利根川水系全体の河川整備計画を策定するようにしなければならないにもかかわらず、関東地方整備局は利根川・江戸川有識者会議だけで終わらせようとしています。河川管理者が河川整備計画策定の基本ルールを無視し、河川法運用の通達に違反するようなことは、あってはなりません。

(2)官房長官裁定条件の遵守
昨年12月22日、八ッ場ダム本体工事費の予算案計上について民主党が強く反対の意思を示したことにより、藤村修官房長官は前田武志国交大臣と前原誠司政調会長に対して、本体工事費の予算計上に関して、

「1 現在作業中の利根川水系に関わる「河川整備計画」を早急に策定し、これに基づき基準点(八斗島)における「河川整備計画相当目標量」を検証する。

2 ダム検証によって建設中止の判断があったことを踏まえ、ダム建設予定だった地域に対する生活再建の法律を、川辺川ダム建設予定地を一つのモデルとしてとりまとめ、次期通常国会への提出を目指す。」

の二条件の遵守と、これらを踏まえて判断することを求める裁定を下しました。

このうち、2の条件については「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案」が3月13日に国会に提出されましたので、済んだことになっています。

しかし、利根川水系河川整備計画の策定という1の条件が残されています。この条件がクリアされない限り、八ッ場ダム本体工事の着工はなく、実際に平成24年度の八ッ場ダム事業の当初予算は本体工事費17億円を除く118億円にとどめられています。

関東地方整備局は、この条件をクリアするために急ピッチで河川整備計画を策定しようとしているのですが、官房長官の裁定が求めているのは、あくまで「利根川水系に関わる河川整備計画」、すなわち、利根川水系全体の河川整備計画の策定です。関東地方整備局の勝手な思惑で、利根川・江戸川という本川だけの河川整備計画を策定するのでは、官房長官裁定の条件を逸脱し、クリアしたことになりません。

本有識者会議の委員におかれましては、以上のことを踏まえ、関東地方整備局に対し、河川整備計画策定の基本ルールと官房長官裁定の条件を踏まえて、利根川水系全体の河川整備計画の策定を求めることを要請します。

5 利根川・江戸川有識者会議の開かれた運営を!
利根川・江戸川有識者会議が民主的に運営されるよう、次の改善を行うことを要請します。

① 有識者会議は淀川水系流域委員会に倣って、傍聴者が意見書を提出し、意見を述べ、意見陳述者と有識者会議委員との間での相互議論を可能とすること。

② 有識者会議で公正な審議が行われるよう、有識者会議の事務局は、河川管理者と一線を画し、委員の活発な議論を支援・促進する立場の民間団体に委託すること。

以上

追記 利根川流域市民委員会の賛同団体34団体の名簿は、9月25日に提出した「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)」の末尾をご覧ください。

2012年10月 5日 (金)

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(4)(日本学術会議の検討報告への疑問) 

利根川流域市民委員会は2012年10月4日に開催された利根川・江戸川有識者会議に対し、2つの追加要請を行いました。4つ目となる要請は、日本学術会議の検討報告への疑問に関する要請です。委員には事前送付を行い、会議当日も配布が行われました。

--◇--◇--◇--◇--◇--◇

2012年10月4日
利根川・江戸川有識者会議
  委員 各位

 利根川流域市民委員会
   共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
          嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
          浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
 連絡先 事務局(深澤洋子)略
                 

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(4)
(日本学術会議の検討報告への疑問) 

9月25日の有識者会議で小池俊雄委員から、パブコメの意見として多く出されている日本学術会議「河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会」の検討報告への疑問については、分科会ですでに検討し、丁寧に説明しているという趣旨のお話しがありました。

そこで、分科会の配布資料を読み直してみましたが、残念ながら、疑問をほとんど解消することができませんでした。つきましては、主な疑問点を記しますので、疑問が解消できるように丁寧にご説明くださるよう、お願いいたします。

1 総合確率法への疑問
(1) 日本学術会議第5回分科会での根本的な問題点の指摘

まず、日本学術会議第5回分科会で次の通り、総合確率法の根本的な問題点が指摘されました。

「総合確率法は学術的な研究成果に基づくものなのか。ある生起確率に基づく降水量とそのときの時空間分布については学術的な検討が十分なされていない。総合確率法の中で平均を取るということは降雨の時空間分布が等確率であることを前提とする。そうしてよい理屈があるか。科学的に明らかになっていない仮定を前提とする手法に対して、学術会議が合理的であると回答してよいのか。」(第5回分科会の議事録5ページ 下から1~6行目)

(2) 分科会の検討結果 
その後、分科会が総合確率法について検討した結果は次の通りです。

① 第10回分科会(平成23年 6月13日)

「一方総合確率法はすべての降雨パターンを考えてピーク流量を算定するため、従来法より合理的であると考える。総合確率法は降雨の時空間パターンがそれぞれ独立であるという仮定を前提としているが、妥当性はある。」(議事録4ページ 下から13~11行目)

② 公開説明会配布資料(平成23年 9月28日)

論点9:総合確率法について

「総合確率法を妥当とする理由はなにか:
利根川流域では流出特性が流域内で大きく異なり、降雨の空間分布の影響が大きいと予想され、解析結果でも予想が裏付けられた。他の流域でも、降雨の時空間分布の影響が大きい場合は、総合確率法による解析が推奨される。」

「他の算定方法がより妥当と考えられる場合とは:
総雨量と降雨の時空間分布が独立であるという仮定に疑いがある場合、洪水ピーク流量を求めた後、その確率分布から求めるのがよい。計算量は中くらい。降雨の時空間分布による違いが小さい場合は、総雨量の超過確率から総雨量を決めて洪水ピーク流量を決める。計算量は最も小さい。」

(3) 解消されない疑問
 上記(2)の検討結果は(1)で指摘された問題点について何も答えていません。「降雨の時空間分布が等確率であることを前提とする・・・科学的に明らかになっていない仮定を前提とする手法に対して、学術会議が合理的であると回答してよいのか。」との指摘に対して、(2)①では、「妥当性はある。」と答えているだけです。「降雨の時空間パターンがそれぞれ独立であるという仮定」の科学的な根拠が求められているのに、その根拠を何も示さずに「妥当性はある」という一言で片づけるのは科学者がとる態度ではありません。
 上記(2)②の「総合確率法を妥当とする理由はなにか:」への答は、「総合確率法による解析が推奨される。」とするだけで、妥当とする理由を何も述べていません。
そして、「他の算定方法がより妥当と考えられる場合とは:」への答では、「総雨量と降雨の時空間分布が独立であるという仮定に疑いがある場合」、すなわち、総合確率法が妥当でない場合に言及しており、読んでいてわけがわからなくなります。そもそも、「仮定に疑いがある場合」は何に基づいて判断することができるのでしょうか。それが判断できるくらいならば、総合確率法の適用範囲が明示されるはずですが、そのようなものは何もありません。この答は失礼ながら、意味不明で、科学性が欠如しています。

以上のとおり、総合確率法への根本的な疑問に対して、学術会議分科会はまともには何も答えていません。

2 森林生長の保水力向上による洪水ピーク量の低減
(1) 流出モデルの開発の遅れ

学術会議分科会は森林生長の保水力向上による洪水ピーク量の低減を否定しました。その理由は、小池委員が9月25日の会議で発言されたように、また、下記の分科会の公開説明会配布資料に記されているように、「土壌の発達と流出の関係を示すモデルは未だ開発されていない」ことにあります。
しかし、それは洪水流出モデルの開発が遅れていること、すなわち、研究者側の問題によることであって、そのことをもって、森林生長の保水力向上による洪水ピーク量の低減をどうして否定することができるのでしょうか。明らかに論理が飛躍しています。

分科会の公開説明会配布資料(平成23年 9月28日)
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(2) 東大の分布型モデルの計算結果でも保水力の向上は明瞭
 学術会議分科会では、貯留関数法より新しい手法の洪水流出モデルによる計算も行われました。それは分布型流出モデルで、東大型と京大型があります。分科会ではこの分布型モデルでも、貯留関数法と同様の結果が得られたとして、基本高水流量を妥当する根拠の一つとしましたが、それらの計算結果を見ると、東大型、京大型のいずれも実績洪水の再現性は良好ではありません。東大モデルの計算結果を次に示します。実績と合っているのは、昭和33年洪水だけであって、34年洪水、57年洪水、平成10年洪水は計算流量と実績流量が少なからず離れており、過去の洪水を正しく再現できるモデルではありません。

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(日本学術会議「河川流出モデル・基本高水の検証に関する学術的な評価」(回答)、2011年9月、16頁)

そして、図から数字を読み取って、実績ピーク/計算ピークを求めると、昭和34年115%、57年96%、平成10年86%で、近年になると、実績ピーク/計算ピークが低下する傾向が明らかに見られます。このモデルは上述の公開説明会配布資料に書かれているように、経年的な植生の変化は入っていますが、土壌の変化は組み入れられていません。植生変化の洪水ピークへの影響はもともと小さなものですから、計算ピークは各年ともほぼ同じ流出条件で計算されたものであると考えられます。
とすれば、実績ピーク/計算ピークの経年的な低下傾向は、森林生長による土壌層の発達で保水力が向上してきたことを示していることになります。 
 
 以上のように、学術会議分科会は森林生長の保水力向上による洪水ピーク量の低減を否定したけれども、東大の分布型モデルの計算結果が、保水力向上による洪水ピークの低減を明確に示しているのです。

3 洪水流出の引き伸ばし計算の問題
 (1) 分科会の資料でも引き伸ばしによる過大計算が明瞭

洪水流出計算モデルは実際にあった規模の洪水のデータからつくられますが、それをもっと大きな規模の洪水に適用できるのかという疑問は分科会の議論の中でも指摘され、次に示す計算例が示されました。

分科会の公開説明会配布資料(平成23年 9月28日)
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上表のままではわかりずらいので、整理すると、下記の表が得られます。下表で明らかなように、実績中規模の洪水から求めたモデルの計算結果は、実績最大規模の洪水から求めたモデルの計算結果を上回っています。二洪水の過大率は10~11%にもなっています。
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上表の実績大規模洪水は近年最大の平成10年洪水で、実績中規模洪水より1.1~1.2倍程度の規模です。したがって、カスリーン台風洪水は近年最大の平成10年洪水よりもさらに1.5倍以上の規模とされていますから、平成10年洪水に当てはまるような洪水流出モデルからカスリーン台風洪水を計算すれば、誤差は11%を超えて、さらに大きく乖離していくことを意味します。

 このように、分科会の資料でも引き伸ばしによる過大計算が明瞭に示されているのです。

(2)引き伸ばしによる過大計算の問題を「世界的にも未解決の問題」として棚上げ
 引き伸ばしによる過大計算の問題はカスリーン台風洪水の計算結果の信頼性に関わる根本問題です。ところが、学術会議分科会は次のように、「世界的にも未解決の問題」として棚上げにしてしまいました。
「分布型流出モデルの計算結果も合わせて考えることが重要」とも述べていますが、その分布型流出モデルである東大型、京大型は、2(2)で述べたように実績洪水の再現性が良好ではなく、この問題を解決するようなものではありません。

分科会の公開説明会配布資料(平成23年 9月28日)
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4 カスリーン台風洪水の実績流量と計算流量の乖離 

カスリーン台風洪水の実績流量は公称で17000㎥/秒、正しくは約15000㎥/秒(【補遺】参照)です。一方、新モデルによるカスリーン台風洪水の計算流量は21100㎥/秒で、実績流量を4000~6000㎥/秒も上回っています。国交省は、この差は八斗島地点より上流で氾濫したとしていますが、こんなに大量の洪水が氾濫するところはなく、実績流量と計算流量の乖離は解明されないままになっています。

学術会議分科会の公開説明会でも、小池委員長は下記の通り、メカニズムの理解から21100㎥/秒を妥当としただけであって、事実面からの裏付けはないことを認めています。

そして、小池委員長はここでも、分布型の東大モデル、京大モデルで同様な値が得られたことを21100㎥/秒の根拠の一つとして述べていますが、2(2)で指摘したように東大モデル、京大モデルとも過去の洪水の再現性が良好ではなく、精度が高いモデルだと評価できるものではありません。

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36ページ
○小池委員長
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【補遺】 カスリーン台風実績流量に関する関東地方整備局の事実歪曲の回答
 9月25日の配布資料3-3で、カスリーン台風実績流量に関するパブコメの意見に対して関東地方整備局は次ページの通り、回答しています。
この回答は、昭和25年の群馬県「カスリン颱風の研究」における安芸皎一東京大学教授の論文を引用したものです。ここだけ読むと、安芸教授が16900㎥/秒が正しいと主張しているように受け取れますが、この文章には続きがあります。次のように安芸教授は16900㎥/秒より10~20%少ない数字が妥当だと結論付けています。
「(三河川の合流点において)約1時間位16900m3/sの最大洪水量が続いた計算になる。しかし之は合流点で各支川の流量曲線は変形されないで算術的に重ね合わさったものとして計算したのであるが、之は起こり得る最大であり、実際は合流点で調整されて10%~20%は之より少くなるものと思われる。川俣の実測値から推定し、洪水流の流下による変形から生ずる最大洪水量の減少から考えると此の程度のものと思われる。」(288頁)
安芸教授は合流点での調整を考えれば、16900㎥/秒ではなく、16900㎥/秒より10~20%小さい値、すなわち、13500~15200㎥/秒が妥当だと判断しているのです。それにもかかわらず、関東地方整備局はその結論部分をカットして、16900㎥/秒が正しいと誤解させる恣意的な引用をしました。このように一種の詐術ともいうべき、事実を歪曲した回答を行う関東地方整備局に対して私たちは強く抗議します。

9月25日の有識者会議の資料3-3
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5 貯留関数法の基礎式の問題
 貯留関数法の基礎式は左辺と右辺の次元が異なり、物理的な意味を持たない式であるという指摘がされています、9月25日の会議で小池委員はこのことに関して、新モデルはその問題を克服して、次元は合っていると説明しました。
 しかし、当日の配布資料に書かれている貯留関数法の基礎式は次の通り、従来の貯留関数法の基礎式と変わるところはなく、左辺と右辺の次元は異なったままです。
 左辺のSの単位はmm、右辺のqの単位は(mm/hr)のp乗ですから、次元が合うはずがありません。

 9月25日の有識者会議の資料3-3
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以上述べた5点は疑問が何も解消されていませんので、丁寧にご説明くださるよう、お願いいたします。
以上

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(3)(利根川水系全体の河川整備計画の策定と有識者会議運営の改善)

利根川流域市民委員会は2012年10月4日に開催された利根川・江戸川有識者会議に対し、2つの追加要請を行いました。3つ目となる要請は、利根川水系河川整備計画の策定のあり方と有識者会議運営についての要請です。委員には事前送付を行い、会議当日も配布が行われました。

--◇--◇--◇--◇--◇--◇


2012年10月4日
利根川・江戸川有識者会議
  委員 各位

 利根川流域市民委員会
  共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
       嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
      浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
   連絡先 事務局(深澤洋子)略
                 

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(3)
(利根川水系全体の河川整備計画の策定と
有識者会議運営の改善)
 

9月25日の有識者会議を傍聴した一般市民の共通の印象は、なりふり構わず、急ピッチで河川整備計画の策定を進めようとする関東地方整備局の際立った強硬姿勢でした。委員が配布資料を事前に目を通すこともできないという、通常の審議会ではまずありえない委員軽視の運営が行われました。とにかく通過儀礼として有識者会議を何回か開けばよいのだと言わんばかりの進め方でした。

利根川水系河川整備計画は、流域住民の安全を真に守ることができ、環境にも十分な配慮をしたものが策定されなければなりません。そのためには議論を着実に積み上げていくことが必要であって、関東地方整備局が目論んでいるような通過儀礼としての有識者会議であってはなりません。

利根川・江戸川有識者会議の委員の皆様におかれましては、関東地方整備局の思惑に振り回されることなく、自らの主体性をもって、審議を進めることを強く期待いたします。

つきましては、まずは次の問題に取り組んでくださることを要請いたします。


1 利根川水系全体の河川整備計画の策定を!
(1)河川整備計画策定の基本ルールの遵守

利根川には大きな支川がいくつもあり、それらの支川も含めて、河川整備計画を策定しなければなりません。支川と本川は相互に関係しており、特に支川の状況が本川に影響するので、両者を切り離して整備計画を策定してはなりません。全国の水系でもほとんどは水系全体の整備計画が策定されてきました。例外として石狩川は各支川、本川ごとに整備計画を策定しましたが、その場合も本川の策定を最後にしています。

ところが、関東地方整備局は、本有識者会議が分担する利根川本川、すなわち、利根川・江戸川の河川整備計画だけを先に作ろうと考えているようです。しかし、それは上述のように、河川整備計画策定の基本ルールを無視したものです。

2006年11月~2008年5月に行われた利根川水系河川整備計画の策定作業では利根川水系を利根川・江戸川、鬼怒川・小貝川、霞ケ浦、渡良瀬川、中川・綾瀬川の五つのブロックに分け、それぞれに有識者会議を設置しました。今回も五つの有識者会議を開いて、それぞれ議論を進め、利根川水系全体の河川整備計画を策定するようにしなければならないにもかかわらず、関東地方整備局は利根川・江戸川有識者会議だけで終わらせようとしているかのようです。

(2)官房長官裁定条件の遵守

昨年12月22日、八ッ場ダム本体工事費の予算案計上について民主党が強く反対の意思を示したことにより、藤村修官房長官が前田武志国交大臣と前原誠司政調会長に次の裁定を示しました。

官房長官の裁定
1.現在作業中の利根川水系に関わる「河川整備計画」を早急に策定し、これに基づき基準点(八斗島)における「河川整備計画相当目標量」を検証する。
2.ダム検証によって建設中止の判断があったことを踏まえ、ダム建設予定だった地域に対する生活再建の法律を、川辺川ダム建設予定地を一つのモデルとしてとりまとめ、次期通常国会への提出を目指す。
3.八ッ場ダム本体工事については、上記の2点を踏まえ、判断する。

上記1、2の条件がクリアされない限り、八ッ場ダム本体工事の着工はなく、実際に平成24年度の八ッ場ダム事業の当初予算は本体工事費17億円を除く118億円にとどめられています。

上記二条件のうち、ダム中止後の生活再建支援法案(「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案」)は3月13日に閣議決定され、国会に提出されました(前国会では継続審議)。

関東地方整備局は、もう一つの条件をクリアするために急ピッチで河川整備計画を策定しようとしているようですが、官房長官の裁定が求めているのは、あくまで「利根川水系に関わる河川整備計画」、すなわち、利根川水系全体の河川整備計画の策定です。関東地方整備局による裁量で、利根川・江戸川という本川だけの河川整備計画を策定するのでは、官房長官裁定の条件を逸脱し、クリアしたことになりません。官房長官裁定は、利根川水系河川整備計画策定の重要な出発点であることを、有識者会議委員もご理解いただきたいと思います。

本有識者会議の委員におかれては、以上のことを踏まえ、関東地方整備局に対して利根川水系全体の河川整備計画の策定を求めることを要請します。


2 常識的な有識者会議の運営を!
(1)有識者会議の余裕を持った日程設定を!

9月25日に続いて10月4日と、10日もあけずに本有識者会議が開かれます。10月にはあと2回も有識者会議が開かれるという話があり、非常識とも言うべき強行日程が組まれています。忙しい各委員が資料を事前に読み込んで、会議に臨むために、余裕を持った開催日程が必要です。通常の審議会と同様に数カ月に1回程度の開催にすべきです。

(2)会議開催の余裕をもった発表
有識者会議の開催の期日と場所は、直前まで公表されません。9月25日の有識者会議の開催が公表されたのは21日の午後でした。土曜日、日曜日を挟んでいたので、4日前ですが、国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」と同様に2日前の午後に発表すると決めているようです。
 有識者会議の審議の動向には一般市民も強い関心を持っているのですから、一般市民が傍聴に極力参加できるように、有識者会議の日程をなるべく早く発表しなければならないはずですが、会議開催の公表は直前です。関東地方整備局は、一般市民が関心を持たないようにしたいと考えているのでしょうか。そのような疑念が生じないように、1週間以上の余裕をもって会議開催を発表すべきです。

(3)有識者会議委員への資料送付は極力早く
 有識者会議の委員には、各委員が会議の配布資料を事前に検討できるように、配布資料を早めに送付するのはごく当然のことです。ところが,9月25日午前の会議の配布資料を関東地方整備局が委員に発送したのは、23日(日)の夕方だというのです。事前に配布資料に目を通すことなく、会議に臨まざるを得なかった委員も多かったと思います。25日の会議で、配布資料は23日(日)の夕方に発送したと、詫びることもなく、平然と答える関東地方整備局の幹部職員は、有識者会議委員を明らかに軽んじていると言わざるを得ません。有識者会議委員への資料送付は極力早くすべきです。

以上の3点について、有識者会議の運営を改善するよう、関東地方整備局への指導を要請します。

3 利根川・江戸川有識者会議の開かれた運営を!
利根川・江戸川有識者会議が民主的に運営されるよう、次の改善を行うことを要請します。

① 有識者会議は淀川水系流域委員会に倣って、傍聴者が意見書を提出し、意見を述べ、意見陳述者と有識者会議委員との間での相互議論を可能とすること。

② 有識者会議で公正な審議が行われるよう、有識者会議の事務局は、河川管理者と一線を画し、委員の活発な議論を支援・促進する立場の民間団体に委託すること。

4 治水安全度と目標流量について
治水安全度と目標流量についての当市民委員会の見解は、9月25日の会議に提出した「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(2)(治水安全度と目標流量について)」で述べてありますので、その要請書をお読みいただきたいと存じます。
ここでは、そのまとめの文章を再掲しておきます。

① 利根川水系河川整備計画の策定において治水安全度を設定して、それに相当する目標流量を机上の計算で算出する方法をやめるべきです。この方法をとると、必ず過大な目標流量が設定され、八ッ場ダムなどの不要な大規模河川施設の建設を位置づけるものになってしまいます。治水安全度という考え方を改め、目標流量は多摩川のように近年最大の実績流量またはそれに多少の余裕を見た流量とすべきです。利根川の場合は13,000~14,000㎥/秒も見れば十分です。そして、万が一、その目標流量を超える未曽有の洪水が来た時に壊滅的な被害を受けないように、耐越水堤防への強化をすみやかに進める河川整備計画を策定すべきです。

② 利根川水系河川整備計画は八ッ場ダム等の大規模河川施設の推進を自己目的化したものではなく、本当に流域住民の生命を守ることができるものが策定されなければなりません。関東地方整備局は利根川流域の住民の安全を守るために何が本当に必要なのかを流域住民と十分に議論する場を設けるべきです。
              
以上

追記 利根川流域市民委員会の賛同団体34団体の名簿は、9月25日に提出した「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)」の末尾をご覧ください。

2012年10月 1日 (月)

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(2)(治水安全度と目標流量について)

利根川流域市民委員会は2012年9月25日に開催された利根川・江戸川有識者会議に対し、2つの要請を行いました。二つ目は、利根川水系河川整備計画の策定における治水安全度と目標流量についての要請です。委員には事前送付を行い、会議当日も配布が行われました。

--◇--◇--◇--◇--◇--◇

2012年9月25日
利根川・江戸川有識者会議
   委員 各位

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(2)
   (治水安全度と目標流量について)

利根川流域市民委員会
共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
       嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
       浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議) 
    連絡先 事務局(深澤洋子)TEL&FAX(略)

関東地方整備局は5月25日から6月23日にかけて、「利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準に対する意見募集」を行いました。利根川水系河川整備計画の策定のために関東地方整備局がつくった新案「治水安全度1/70~1/80、洪水目標流量17,000㎥/秒(八斗島地点)についてのパブリックコメントです。

しかし、この数字は、2006年11月に利根川水系河川整備計画の策定作業が開始された時に関東地方整備局が示し、パブコメや公聴会で意見を求めたメニューの数字「治水安全度1/50、洪水目標流量約15,000㎥/秒」とは大きく違っており、何ら合理的な理由を示すことなく、勝手に整備計画の前提条件を変えることは到底許されることではありません。

なぜそのように不可解なことをするのか、そこに、八ッ場ダムなどの大規模河川事業を推進しようとする関東地方整備局の意図があると言わざるを得ません。

したがって、関東地方整備局が示した治水安全度と目標流量の案は、単に数字の多寡ではなく、このような背景も踏まえて吟味しなければなりません。

以下、今回の治水安全度のパブコメに対する当市民委員会の意見を記しますので、利根川・江戸川有識者会議の各委員におかれましては、下記の意見を参考にして、科学的な審議をされることを要請いたします。

(1) 治水安全度についてのパブコメの狙い

① 今回のパブコメは治水安全度1/70~1/80について意見を求めたものです。治水安全度だけを切り離して聞けば、一般には治水安全度は高い方がベターだと思うでしょうから、今回のパブコメは一般の人々の心理を利用して1/70~1/80への賛意を得てしまおうというものです。治水安全度1/70~1/80を得るためにはどのような河川施設が必要で、どの程度の費用がかかり、さらに環境への影響がどうなのかを同時に示さなければ、適正な判断ができないにもかかわらず、それらを一切示さずに治水安全度のみのパブコメを行うのはアンフェアなやり方であると言わざるを得ません。

② 関東地方整備局の狙いは、治水安全度1/70~1/80に賛意があることをもって、それと一体的に書かれている治水目標流量(八斗島地点)17,000 ㎥/秒も賛意が得られたとし、そのことによって、17,000 ㎥/秒を前提として位置づけられている八ッ場ダム事業などを河川整備計画に盛り込めるようにすることにあると推測されます。パブコメの治水安全度の話がいつのまにか、八ッ場ダムなどの大規模河川事業につながるようになっているのです。

(2) 治水安全度1/70~1/80=治水目標流量17,000 ㎥/秒の非科学性

① 関東地方整備局は、治水安全度1/70~1/80は治水目標流量17,000 ㎥/秒に相当するとしていますが、そのことに科学的な根拠はなく、正しくはもっと小さい流量です。17,000 ㎥/秒は国交省が基本高水流量の算出に使用した同じ洪水流出計算モデル(貯留関数法)で求めたものですが、このモデル自体が問題です。日本学術会議のお墨付きを得たとしていますが、学術会議はこのモデルが持つ基本的な問題を説明することができませんでした。すなわち、昭和22年洪水をこのモデルで再現計算すると、21,100㎥/秒になるが、実績流量の推定値は最大で見て17,000㎥/秒(実際は15,000㎥/秒程度)であり、なぜ4,000㎥/秒以上という大きな差が生じるのか、学術会議は合理的な説明ができませんでした。

② 国交省が、治水安全度1/70~1/80は治水目標流量17,000 ㎥/秒に相当する根拠は、雨量確率を流量確率に置き換える総合確率法という方法ですが、これは科学性が疑われている計算手法です。学術会議での議論でも、「総合確率法は学術的な研究成果に基づくものなのか。ある生起確率に基づく降水量とそのときの時空間分布については学術的な検討が十分なされていない。総合確率法の中で平均を取るということは降雨の時空間分布が等確率であることを前提とする。そうしてよい理屈があるか。科学的に明らかになっていない仮定を前提とする手法に対して、学術会議が合理的であると回答してよいのか。」(第5回分科会の議事録)と、根本的な疑問が投げかけられました。そして、総合確率法で用いた洪水流出計算モデルは昭和22年洪水の再現計算と同じモデルですから、①で指摘した問題が総合確率法の結果にも当てはまります。実績よりかなり過大な値が算出されているのです。

③ しかし、日本学術会議は上述の基本的な矛盾、根本的な疑問に答えることなく、国交省の計算を追認しました。高度な専門家集団であるはずの日本学術会議は、その本来の役割を放棄したと言わざるを得ません。

④ 国交省は過大な流量を算出する流出計算モデルと、科学性が疑問視される総合確率法で1/70~1/80は治水目標流量17,000 ㎥/sに相当するとしていますが、科学的な計算法があります。それは、実績流量のデータそのものから確率計算を行うもので、これを流量確率法といいます。利根川の八斗島地点の実績流量(国交省が観測流量にダム調節量を加算した流量)を使って、流量確率法で1/80の流量を求めると、統計手法によって計算結果が異なりますが、平均をとると、約13,000㎥/秒になり、17,000㎥/秒は明らかに過大です。

(3) 目標流量をどう考えるべきか

① 治水計画は基本的に過去の洪水の再来に備えるように策定されるべきで、一級水系の直轄区間の河川整備計画は近年最大の実績流量を目標流量としていることが少なくありません。たとえば、多摩川の場合は昭和49年の実績流量4,500㎥/秒(石原地点)を目標流量としています。利根川の場合は、昭和20年代前半(戦争直後で森林が荒廃していた時期)を除いて、最近60年間の実績を見ると、その最大洪水流量は1998年の約10,000㎥/秒(八斗島地点)です。利根川の目標流量はそれに余裕を見た13,000~14,000㎥/秒とすれば十分です。過大な目標流量を設定して、八ッ場ダム等の不要な大規模河川施設を推進して巨額の河川予算を浪費することはもうやめるべきです。

(4)想定を超える洪水への対応を!

① 昨年の東日本大震災を踏まえれば、設定した目標流量を超える未曽有の洪水が来る可能性は皆無ではありません。その時に壊滅的な被害を受けないようにするための対策を河川整備計画に位置づけることが必要です。そもそも、今回のパブコメのように、治水安全度を先に決める河川整備計画の策定方法は、その治水安全度に見合う洪水までは安全を保証するが、それを超えた洪水が来れば、アウトになるという考え方ですから、そのようなやり方自体をやめるべきです。想定を超える洪水が来ても、壊滅的な被害を受けないようにする対策を推進する河川整備計画を策定しなければなりません。

② 未曽有の洪水が来た時への基本的な対策は堤防を耐越水堤防に強化することです。未曽有の洪水が来ればダムは満杯になって洪水調節機能を失うし、堤防は計画高水位の洪水までに対してしか強度が保証されていないから、破堤するかもしれません。一挙に破堤すれば、流域住民の多くの生命が失われてしまうことになります。そのようにならないようにするために、越水しても簡単には破堤することがない堤防への強化を図り、同時に避難を速やかに行える避難体制を確立することが必要です。

③ 越水しても簡単には破堤することがない耐越水堤防の技術として、比較的安価なハイブリッド堤防が開発されてきていますので、その技術を用いれば、利根川の堤防の主要部分を耐越水堤防に改良することは可能です。

(5) まとめ

① 以上述べたとおり、利根川水系河川整備計画の策定において治水安全度を設定して、それに相当する目標流量を机上の計算で算出する方法をやめるべきです。この方法をとると、必ず過大な目標流量が設定され、八ッ場ダムなどの不要な大規模河川施設の建設を位置づけるものになってしまいます。治水安全度という考え方を改め、目標流量は多摩川のように近年最大の実績流量またはそれに多少の余裕を見た流量とすべきです。利根川の場合は13,000~14,000㎥/秒も見れば十分です。そして、万が一、その目標流量を超える未曽有の洪水が来た時に壊滅的な被害を受けないように、耐越水堤防への強化をすみやかに進める河川整備計画を策定すべきです。

② 利根川水系河川整備計画は八ッ場ダム等の大規模河川施設の推進を自己目的化したものではなく、本当に流域住民の生命を守ることができるものが策定されなければなりません。関東地方整備局は利根川流域の住民の安全を守るために何が本当に必要なのかを流域住民と十分に議論する場を設けるべきです。


追記 利根川流域市民委員会の賛同団体34団体の名簿は「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)」の末尾をご覧ください。

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)

利根川流域市民委員会は2012年9月25日に開催された利根川・江戸川有識者会議に対し、2つの要請を行いました。一つは、利根川水系河川整備計画の策定における計画策定の基本的な事項についての要請です。委員には事前送付を行い、会議当日も配布が行われました。

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2012年9月25日
利根川・江戸川有識者会議
   委員 各位

利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)
 (計画策定の基本的な事項について)

利根川流域市民委員会
 共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
        嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
        浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議) 
      連絡先 事務局(深澤洋子)(略)

利根川水系河川整備計画は、流域住民の安全を真に守ることができ、且つ、環境にも十分に配慮した計画が策定されなくてばなりません。そのためには、利根川の将来のあり方について流域住民の意見を反映できるように、時間をかけて議論を進めることが必要であり、それが1997年河川法改正の本旨です。決して拙速で利根川水系河川整備計画を策定してはなりません。河川法改正の本旨に立ち返って利根川水系河川整備計画について公正且つ民主的な計画策定作業が行われるよう、利根川・江戸川有識者会議の各委員が下記のことに取り組まれることを要請いたします。

(1) 利根川・江戸川有識者会議は公正な審議が行えるように委員及び座長を選定するとともに、民主的な運営を行うこと

淀川水系流域委員会の方式【参考1】を基本として、利根川・江戸川有識者会議について次の改善を要請します。

① 現在の利根川・江戸川有識者会議の委員は、一部の委員を除き、関東地方整備局が選定したものであるため、関東地方整備局の意向に沿った委員が多数を占め、偏った構成になっていると考えられるので、改めて民主的に委員を選定し直し、公正な審議が行えるようにすること。

② 利根川・江戸川有識者会議の現座長は、ダム推進論者として新聞や公式の場でしばしば自説を主張してきている。昨年11月4日に開かれた「八ッ場ダム検証の学識経験者意見聴取の場」(本有識者会議の委員で構成)では、検証報告に疑問を呈した委員に対して「○〇さんの意見は、そのまま意見として。あまり極端なアジ的なあれも、今ここではやらないように」と恫喝したり、「もうほじくり返すような議論はいい加減にしてくれというのが私の個人的な意見」と、ダム検証の意味自体を否定する発言をしている(同会議の議事録より)。ダム検証の意味を理解せず、自説を主張して偏った議事運営をした現座長は公平な審議を進めるうえで相応しくないので、人選し直すこと。

③ 有識者会議は淀川水系流域委員会に倣って、傍聴者が意見書を提出し、意見を述べることができるようにし、さらに意見陳述者と有識者会議委員との間で相互の議論ができるようにすること。

④ 有識者会議の事務局は、河川管理者と一線を画し、委員の活発な議論を支援し、その意思を尊重する中立的な立場で民間団体が行うこと。

(2)流域住民の安全を真に守ることができ、且つ、環境にも十分に配慮した利根川水系河川整備計画が策定されるように、流域住民との議論を積み重ねていくこと

利根川水系河川整備計画は、流域住民の安全を真に守ることができ、環境にも十分な配慮をしたものが策定されなければなりません。その目的を達成するためには下記の3点を踏まえることが必要です。利根川・江戸川有識者会議として、関東地方整備局に対し、この3点を踏まえた整備計画策定作業への取り組みを求めることを要請します。

① 今回の利根川水系河川整備計画の策定作業は、藤村修官房長官の裁定により、計画策定が八ッ場ダム本体工事の予算執行の条件となったことにより、急きょ進められることになったものであるが、八ッ場ダムの事業推進のために河川整備計画が拙速に策定されるならば、それは本末転倒であると言わざるを得ない。

② 利根川水系河川整備計画は、流域住民の生命と財産を洪水の氾濫から真に守ることができ、且つ、利根川水系の環境の改善をも視野に入れたものが策定されなければならない。そのためには、流域のそれぞれの状況について知見を有する住民の意見が反映されるよう、流域住民を交えた議論を積み重ねていくことが必要である。さらに、机上の議論で終わらぬよう、流域住民との現地共同調査を行うことも必要である。

③ 利根川は全国で流域面積が最も広い水系で、大きな支川をいくつも抱えているので、上述のように、流域住民の意見を反映させるために然るべき手順を踏めば、河川整備計画の策定には数年以上の年数を要するものであるから、そのことを踏まえ、議論に必要な時間をかけて策定作業を進める必要がある。

(3)前回の利根川水系河川整備計画の策定作業との齟齬を糾明すること

利根川水系河川整備計画の策定作業は2006年11月から開始されましたが、2008年5月23日の合同有識者会議の後、突然中断されました。この有識者会議の終わりに、関東地方整備局柏木才助河川部長が「きょうの御議論を踏まえまして、次回にはまた御議論いただくもとになります整備計画のたたき台をお示し」(議事録より)すると言明したにもかかわらず、その後、関東地方整備局は一方的に策定作業を中断しました。

国交省は政権交代によるダム見直しを理由に挙げているようですが、政権交代は2009年9月で、その約1年半後のことであり、整備計画策定作業の中断とは何の関係もありません。関東地方整備局の思惑で一方的に策定作業が中断されたのです。

さらに、当時、関東地方整備局が示した利根川水系河川整備計画のメニューと、昨年の八ッ場ダム事業の検証で前提とした整備計画の枠組みは大きく変わっています。当時示されたメニューに対して公聴会およびパブリックコメントが行われ、有識者会議が意見を述べたにもかかわらず、関東地方整備局は何の理由を示すこともなく、そのメニューを反故にしてしまいました。

そのように、2008年5月までの約束とメニューを一方的に反故にした関東地方整備局の責任は重大です。
このことに関して、利根川・江戸川有識者会議として、関東地方整備局に対して、次のとおり、前回の利根川水系河川整備計画の策定作業との齟齬を糾明することを要請します。

① 2008年5月23日の合同有識者会議の終わりに、関東地方整備局柏木河川部長が次回には整備計画のたたき台を示すと言明したにかかわらず、その後、約束をなぜ反故にしたのか。政権交代はその約1年半後のことで、理由にはならないので、真の理由を明らかにすること。

② 2006年11月からの策定作業で関東地方整備局が示した河川整備計画のメニューでは、本川の治水安全度は1/50、八斗島地点のダム調節後の目標流量は13,000㎥/秒で、調節前の目標流量は約15,000㎥/秒であった。ところが、昨年、関東地方整備局が八ッ場ダムの検証で前提とした利根川河川整備計画の枠組みでは、治水安全度は1/70~1/80、ダム調節後の目標流量は14,000㎥/秒、調節前の目標流量は17,000㎥/秒であった。すなわち、治水安全度は1/50から1/70~1/80に、ダム調節前の目標流量は約15,000㎥/秒から17,000㎥/秒に、さらにダム等による洪水調節量が約2,000㎥/秒から3,000㎥/秒に引き上げられた。
 関東地方整備局が2006年11月に示した利根川河川整備計画のメニューを上記のとおり、大きく変えた理由を明らかにすること。

③ 上記のとおり、関東地方整備局が公に示し、公聴会やパブリックコメントを行い、有識者会議の意見を聴いた河川整備計画のメニューを何の説明もなく、変えることは社会常識からしても許されないことであるので、関東地方整備局としてその責任を明確にすること

(4) 流域住民の意見を反映させる方法の確立
 
(2)で述べたように、利根川水系河川整備計画の策定は流域住民の意見を十分に反映させることが必須の条件です。
 ついては、利根川江戸川有識者会議として、関東地方整備局に対し、下記のとおり、流域住民の意見の反映について次の4点への取り組みを求めることを要請します。

① 2006年12月に関東地方整備局が言明した「整備計画原案を示し、有識者会議、関係住民等の意見をきいて整備計画修正案をつくり、それを何回か実施して計画をつくる。」【参考2】の約束を守り、関係住民の意見聴取を1回限りで終わらせることなく、繰り返し実施すること。

② 1997年河川法改正の国会答弁【参考3】「(関係住民の意見を)言いっ放し、聞きっ放しというのでは全く意味がない」、「まさにその河川整備計画に関係住民の皆さん方の意向が反映をしていくというふうに考えております。」に沿って、関係住民の意見を確実に反映できる方法を実施すること。

③ 具体的には、淀川水系流域委員会の提言により実施された「公聴会を円卓方式の『対話集会』【参考4】とし、河川管理者と流域住民などとが公開で討議、討論を行う」方式を実施すること。

④ 関係住民の合理的な意見を反映するにあたり、1997年河川法改正の国会答弁【参考5】「住民の皆さんの御意見、地方の御意見が反映できるように、そういう形で整備計画の案の段階でお諮りをして議論をいただく」「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする」を尊重し、河川整備基本方針に縛られずに検討すること。

以上

参考資料

【参考1】 淀川水系流域委員会の民主的な委員選定と運営
淀川水系流域委員会(学識経験者の意見を聴く場)は人選から運営まできわめて民主的に行われてきている。淀川水系流域委員会の設置に当たって、準備会議が設置され、その準備会議が下記のとおり、委員候補の選定を行うとともに、委員会の運営の方向性を示し、この答申にそって淀川水系流域委員会の運営が行われてきた。まもなく、第四次の淀川水系流域委員会が発足するが、この発足にあたって、委員候補推薦委員会が設置されて委員の人選が行われており、基本路線は引き継がれている。

「淀川水系流域委員会のあり方について」答申  平成13年1月11日
淀川水系流域委員会準備会議
○淀川水系流域委員会委員候補の選定
・委員候補のリスト作成にあたって、準備会議委員や河川管理者の推薦に加え、公募を行った。
・学識経験者の範囲として、大学の教員、研究所の研究員といった従来型の範囲に加え、地域の特性に詳しい者を新たに加えた。
・改正河川法の趣旨を踏まえ、河川事業に関わる専門の範囲を従来よりも幅広くとらえ、治水、利水、環境の分野から選定した。
・広く国民的な議論を行うために、経済、法律を専門とする者、マスコミの経験者等も選定した。
○住民意見の聴取方針
・住民の意見が寄せられるのを待つだけではなく、河川利用の現場に赴くなどして、より積極的に意見を聴取することとする。
・多様な意見聴取方法を取り入れ、できるだけ、広範囲に多様な住民の意見を聴取することとする。
○庶務
・河川管理者と一線を画し、流域委員会委員の意思を積極的に支援する中立的立場で民間企業が行うこととする。

【参考2】 利根川水系河川整備計画の策定について関東地方整備局が言明したこと

関東地方整備局は第2回利根川・江戸川有識者会議で下記の議事録のとおり、有識者会議、関係住民等の意見を繰り返し聞いて整備計画をつくることを言明した。

第2回利根川・江戸川有識者会議(2006年12月18日)の議事録(4~5ページ)
「事務局:髙橋河川計画課長
それから、河川整備計画の原案をそういった意見を踏まえてつくらせていただこうと思っておりまして、また、その河川整備計画の原案につきましては、全体の意見を取りまとめて整理させていただいた上で、その後の有識者会議になろうかと思いますが、そこの段階でお示しさせていただければと思っております。その段階におきまして、また関係住民の方々にもインターネット等での意見募集、それから公聴会、そういったものを開かせていただいて、再度意見をいただいて、また、その整備計画の原案を修正させていただく。で、また修正したものにつきましても、再度ご提示させていただいて、また学識の先生方、それから関係住民の方々からご意見をいただくと、そういったことを何回か実施させていただきまして河川整備の案を取りまとめていきたいと思っております。」 

【参考3】 河川整備計画策定への関係住民の意見反映は国会の質疑で約束されたこと
1997年の河川法改正に当たり、関係住民の意見反映について当時の尾田栄章河川局長は下記の議事録のとおり、国会の質疑で「河川管理者は河川整備計画に関係住民の意見を反映させる責務がある」と答弁した。

「衆議院建設委員会-12号 平成09年5月9日
○尾田政府委員 先生御指摘のとおり、言いっ放し、聞きっ放しというのでは全く意味がないというふうに考えておりまして、具体の河川整備計画の案を策定する段階で、十二分に案を策定するために、案の案、原案の案、そういう意味では原案でございますが、これを御提示をいたしまして、それについて御意見をいただく、その上で必要なものについては修正をするという形で考えておりますので、まさにその河川整備計画に関係住民の皆さん方の意向が反映をしていくというふうに考えております。」

【参考4】 淀川水系河川整備計画の策定における住民参加
淀川水系流域委員会は、1997年の河川法改正の本旨「河川整備計画への関係住民の意見反映」を具体化する方法を検討し、次の提言を行い、この提言に沿った取り組みがされてきた。

淀川水系流域委員会「住民参加部会」の提言   2003年4月21日 
「河川管理者に対する河川整備計画策定時における一般意見の聴取反映方法について」
(2)対話集会もしくは対話討論会(ワークショップ等)の考え方
この公聴会は円卓方式の「対話集会」もしくは「対話討論会」とし、河川管理者と参加住民、住民組織、地域組織などとが委員会と同様に公開で討議、討論を行い、議事録などは全て公開されるべきである。

【参考5】 基本方針のあり方についても再度検討するという国会答弁

「衆議院建設委員会-12号 平成09年5月7日
○尾田政府委員(河川局長) そして、この河川整備基本方針に従いまして、ダムをどこにつくるか、どこに堤防をつくるか、そういう個別の事項につきましては、すべて河川整備計画の中で定めます。この河川整備計画については、まさに住民の皆さんの御意見、地方の御意見が反映できるように、そういう形で整備計画の案の段階でお諮りをして議論をいただくということを考えておるわけでございます。
 そういう意味合いで、基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする、そういう仕組みを考えておるわけでございまして、この河川整備基本方針に住民意見の反映の手続がないということをもって住民意見の反映がされていないという御批判は当たらないと私は考えておるところでございます。」

利根川流域市民委員会 賛同団体一覧  
2012年9月23日現在 34団体(順不同)

利根川・江戸川流域ネットワーク
水源開発問題全国連絡会
利根川の水と緑を守る取手連絡会 
霞ヶ浦導水事業を考える県民会議 
八ッ場あしたの会 
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会 
八ッ場ダムをストップさせる群馬の会
八ッ場ダムをストップさせる千葉の会
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 
八ッ場ダムをストップさせる茨城の会
八ッ場ダムをストップさせる東京の会
ムダなダムをストップさせる栃木の会
渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会 
首都圏のダム問題を考える市民と議員の会
霞ヶ浦・北浦をよくする市民連絡会議
思川開発事業を考える流域の会
ダム反対鹿沼市民協議会 
栃木の水を守る連絡協議会
高崎の水を考える会
千葉県自然保護連合 
千葉の干潟を守る会
藤川をきれいにする会
市川緑の市民フォーラム 
耕さない田んぼの会
東京市民オンブズマン
渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える 
水道事業を考える土浦市民の会 
スーパー堤防問題を考える協議会
スーパー堤防・街づくりを考える会 
希望社会研究所
STOP八ッ場ダム・市民ネット
那珂川ウォーターネットワーク鶴亀隊  
アサザ基金
全水道関東地方本部

                     以上


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