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2012年5月23日 (水)

再結成集会での質問と回答

4月29日に開催した
「関東平野にも、脱ダムの風よ吹け!
~利根川水系河川整備計画の出直しをチャンスに~」

以下のような質問をいただきました。
回答をこちら(八ツ場あしたの会ウェブ)に掲載しています。

利根川流域市民委員会再結成集会(2012年4月29日)の質問票
および回答

1 八ッ場ダム中止を大臣が言明したのに、復活してしまった理由をあげてください。

2 八ッ場ダムなしの利根川水系河川整備計画を策定させるには、関東地方整備局の担当者をその気にさせないと無理なのでしょうか。その気にさせるために私たちのできることを教えてください。陰のOBが力をなくすまで無理なのでしょうか。

3 八ッ場ダムの建設を中止した場合のコストは計算されているのですか? 今、建設を中止したときに、「もう計画が進んでいるから、作ってしまった方が安い」というような議論に対して、どのような反論が考えられますか?

4 民主党の各国交大臣は八ッ場ダムの本当に危険な箇所を見ているのでしょうか? 各大臣の回りを役人が取り巻き、見させないということを聞いております。前田大臣は夜行ったのでしょうから、実態を知らないのではないでしょうか。(役所の先輩に顔向けできないのではなく、自分たちの天下り先を確保できないことが本音かも)

5 利根川右岸堤防のパイピング破壊の危険がある堤防を強化すると、概算どの程度の経費がかかると考えればよいですか?

6 利根川水系河川の放射能汚染についてご存知の現状と取るべき対策へのお考えをお聞きしたい。

7 3.11で日本社会は大転換を求められています。3.11震災でダムが決壊し、大きい被害が出ました(福島県内)。前から補修がなされなかった人災との批判があるそうです。これから、耐震性の調査や補修にますます費用と労力が求められる時代になると思いますが、国、国交省はそれでも新しいダムをつくり続けたいのでしょうか?(心を入れ替えてない?)

8 堤防強化はとてもよいと思いますが、年月を要します。昨日、田中、稲戸井調節池を見てきました。調節池を考えて検討しては?

9 国交大臣が再度代わることによって河川整備計画(八ッ場ダム事業等)が我々が期待する方向に好転する可能性はあるのでしょうか?

10 配布資料18ページ「耐越水堤防の技術」の中段に、首都圏氾濫区域堤防強化対策事業による「1200戸以上の家屋の移転」とありますが、その根拠は?

11 八ッ場ダム建設事業について何故、品木ダムの危険性を訴えないのか?

12 何故、大熊教授の考え「台風が来ても八ッ場ダム予定地には雨量が少ない」を紹介しないのか?

13 私の住む江戸川右岸、北小岩では延長2.2kmでスーパー堤防が計画されています。ここには1800棟の住宅が立ち退き対象です。又、下流の篠崎地区では、今も住宅が取り壊されています。認識を新たにしてほしいと思います。

14 八ッ場ダムの減電補償の額は当初400~500億円と言われていたが、今日のお話によれば、150~200億円ということでした。計算の根拠を教えてください。また、東電側あるいは国交省は補償額を算出しているのでしょうか?

回答はこちら

2012年5月19日 (土)

利根川水系河川整備計画の民主的な策定を求める要請

5月16日、利根川流域市民委員会は前田武志国交大臣に「利根川水系河川整備計画の民主的な策定を求める要請書」を提出しました。

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                  2012年5月16日
国土交通大臣 前田武志 様
国土交通省関東地方整備局長 下保 修 様

利根川水系河川整備計画の民主的な策定を求める要請

利根川流域市民委員会
共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議) 
連絡先 事務局(深澤洋子)TEL&FAX 042-341-7524

                      
 国土交通省関東地方整備局で策定を予定している利根川水系河川整備計画は、河川法改正の本旨に立ち返ってゼロベースから民主的な策定作業を進めるよう、下記のとおり、要請いたします。

(1) 関係住民の意見を反映させる方法の確立

① 2006年12月に関東地方整備局が言明した「整備計画原案を示し、有識者会議、関係住民等の意見をきいて整備計画修正案をつくり、それを何回か実施して計画をつくる。」【参考1】の約束を守り、関係住民の意見聴取を1回限りで終わらせることなく、繰り返し実施すること。

② 1997年河川法改正の国会答弁【参考2】「(関係住民の意見を)言いっ放し、聞きっ放しというのでは全く意味がない」、「まさにその河川整備計画に関係住民の皆さん方の意向が反映をしていくというふうに考えております。」に沿って、関係住民の意見を確実に反映できる方法を実施すること。

③ 具体的には、淀川水系流域委員会の提言により実施された「公聴会を円卓方式の『対話集会』【参考3】とし、河川管理者と流域住民などとが公開で討議、討論を行う」方式を実施すること。

④ 関係住民の合理的な意見を反映するにあたり、1997年河川法改正の国会答弁【参考4】「住民の皆さんの御意見、地方の御意見が反映できるように、そういう形で整備計画の案の段階でお諮りをして議論をいただく」「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする」を尊重し、河川整備基本方針に縛られずに検討すること。

(2) 利根川の有識者会議の民主的な委員選定と運営

淀川水系流域委員会の方式【参考5】を基本として、利根川の五つの有識者会議について次の改善を求める。
① 現在の有識者会議の委員は、専ら関東地方整備局が選定したものであり、ダム事業の推進を求める委員が多数を占め、きわめて偏った構成になっているので、改めて民主的に委員を選定し直し、ダム事業に反対の意見又は懐疑的な意見を持つ委員が半数を占め、公正な審議を行えるようにすること。

② 特に五つの有識者会議の中で最大の利根川江戸川有識者会議の座長は、ダム推進論者として国交省の広報などでしばしば自説を主張してきており、公平な審議を進めるうえで相応しくないので、人選をし直すこと。

③ 有識者会議は全面的に公開し、一般市民の傍聴を自由とすること。別室でモニター傍聴というような傍聴者を隔離する方式ではなく、同じ会議室で直接傍聴できる方式とすること。

④ 淀川流域委員会に倣って、傍聴者が意見書を提出し、意見を述べることができるようにすること。

⑤ 有識者会議の事務局は、河川管理者と一線を画し、委員の意思を積極的に支援する中立的立場で民間団体が行うこと。

(3)ゼロからの河川整備計画の策定作業

2006年~08年当時の策定作業開始時に示された利根川水系河川整備計画のメニューと、八ッ場ダム事業の検証で前提とした整備計画の枠組みは大きく変わっている。【参考6】
2007年2~3月の公聴会およびパブコメは当時のメニューに対して行われたものであり、その内容が大きく変わっているのであるから、当時の公聴会、パブコメも一から仕切り直す必要がある。
以上のことを踏まえ、利根川水系河川整備計画の策定作業をゼロからスタートさせること。

以上

       =====
参考資料

【参考1】利根川水系河川整備計画の策定について関東地方整備局が言明したこと 

関東地方整備局は第2回利根川・江戸川有識者会議で下記の議事録のとおり、有識者会議、関係住民等の意見を繰り返し聞いて整備計画をつくることを言明した。

第2回利根川・江戸川有識者会議(2006年12月18日)の議事録(4~5ページ)
「事務局:髙橋河川計画課長
それから、河川整備計画の原案をそういった意見を踏まえてつくらせていただこうと思っておりまして、また、その河川整備計画の原案につきましては、全体の意見を取りまとめて整理させていただいた上で、その後の有識者会議になろうかと思いますが、そこの段階でお示しさせていただければと思っております。その段階におきまして、また関係住民の方々にもインターネット等での意見募集、それから公聴会、そういったものを開かせていただいて、再度意見をいただいて、また、その整備計画の原案を修正させていただく。で、また修正したものにつきましても、再度ご提示させていただいて、また学識の先生方、それから関係住民の方々からご意見をいただくと、そういったことを何回か実施させていただきまして河川整備の案を取りまとめていきたいと思っております。」 


【参考2】 河川整備計画策定への関係住民の意見反映は国会の質疑で約束されたこと

1997年の河川法改正に当たり、関係住民の意見反映について当時の尾田栄章河川局長は下記の議事録のとおり、国会の質疑で「河川管理者は河川整備計画に関係住民の意見を反映させる責務がある」と答弁した。

「衆議院建設委員会-12号 平成09年5月9日
○尾田政府委員 先生御指摘のとおり、言いっ放し、聞きっ放しというのでは全く意味がないというふうに考えておりまして、具体の河川整備計画の案を策定する段階で、十二分に案を策定するために、案の案、原案の案、そういう意味では原案でございますが、これを御提示をいたしまして、それについて御意見をいただく、その上で必要なものについては修正をするという形で考えておりますので、まさにその河川整備計画に関係住民の皆さん方の意向が反映をしていくというふうに考えております。」


【参考3】 淀川水系河川整備計画の策定における住民参加

淀川水系流域委員会は、1997年の河川法改正の本旨「河川整備計画への関係住民の意見反映」を具体化する方法を検討し、次の提言を行い、この提言に沿った取り組みがされてきた。

淀川水系流域委員会「住民参加部会」の提言   2003年4月21日 
「河川管理者に対する河川整備計画策定時における一般意見の聴取反映方法について」
(2)対話集会もしくは対話討論会(ワークショップ等)の考え方
この公聴会は円卓方式の「対話集会」もしくは「対話討論会」とし、河川管理者と参加住民、住民組織、地域組織などとが委員会と同様に公開で討議、討論を行い、議事録などは全て公開されるべきである。


【参考4】 基本方針のあり方についても再度検するという国会答弁

「衆議院建設委員会-12号 平成09年5月7日
○尾田政府委員(河川局長) そして、この河川整備基本方針に従いまして、ダムをどこにつくるか、どこに堤防をつくるか、そういう個別の事項につきましては、すべて河川整備計画の中で定めます。この河川整備計画については、まさに住民の皆さんの御意見、地方の御意見が反映できるように、そういう形で整備計画の案の段階でお諮りをして議論をいただくということを考えておるわけでございます。
 そういう意味合いで、基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする、そういう仕組みを考えておるわけでございまして、この河川整備基本方針に住民意見の反映の手続がないということをもって住民意見の反映がされていないという御批判は当たらないと私は考えておるところでございます。」


【参考5】 淀川水系流域委員会の民主的な委員選定と運営

淀川水系流域委員会(学識経験者の意見を聴く場)は人選から運営まできわめて民主的に行われてきている。淀川水系流域委員会の設置に当たって、準備会議が設置され、その準備会議が下記のとおり、委員候補の選定を行うとともに、委員会の運営の方向性を示し、この答申にそって淀川水系流域委員会の運営が行われてきた。まもなく、第四次の淀川水系流域委員会が発足するが、この発足にあたって、委員候補推薦委員会が設置されて委員の人選が行われており、基本路線は引き継がれている。

「淀川水系流域委員会のあり方について」答申  平成13年1月11日
          淀川水系流域委員会準備会議

○淀川水系流域委員会委員候補の選定
・委員候補のリスト作成にあたって、準備会議委員や河川管理者の推薦に加え、公募を行った。
・学識経験者の範囲として、大学の教員、研究所の研究員といった従来型の範囲に加え、地域の特性に詳しい者を新たに加えた。
・改正河川法の趣旨を踏まえ、河川事業に関わる専門の範囲を従来よりも幅広くとらえ、治水、利水、環境の分野から選定した。
・広く国民的な議論を行うために、経済、法律を専門とする者、マスコミの経験者等も選定した。
○住民意見の聴取方針
・住民の意見が寄せられるのを待つだけではなく、河川利用の現場に赴くなどして、より積極的に意見を聴取することとする。
・多様な意見聴取方法を取り入れ、できるだけ、広範囲に多様な住民の意見を聴取することとする。
○庶務
・河川管理者と一線を画し、流域委員会委員の意思を積極的に支援する中立的立場で民間企業が行うこととする。


【参考6】 利根川水系河川整備計画の枠組みの大きな変更

八ッ場ダムの検証で前提とした利根川水系河川整備計画の枠組みは、2006年11月からの策定作業で関東地方整備局が示した河川整備計画のメニューと大きく変わっている。

すなわち、関東地方整備局は八ッ場ダムの検証では、治水安全度を1/50洪水から1/70~1/80洪水に、目標流量を約15,000㎥/秒から17,000㎥/秒に、さらにダム等による洪水調節量を約2,000㎥/秒から3,000㎥/秒に引き上げた。このことによって、八ッ場ダムの治水面での必要度を高める枠組みがつくられた。

ア 2006~08年の策定作業で示された河川整備計画のメニュー(枠組み)
(流量は治水基準点の八斗島(群馬県伊勢崎市)の数字を示す。以下同じ)
  治水安全度 1/50
・目標流量 約15,000㎥/秒(当時の委託調査報告書に記載)
・河道対応流量  13,000㎥/秒(当時の局配布資料に記載)
・ダム等による洪水調節量  約2,000㎥/秒
 (洪水調節施設:既設ダム、八ッ場ダム、ダム事業再編※、烏川河道内調節池)
 ※ダム事業再編: ① (八斗島に近い)下久保ダムの利水容量の一部を治水容量にし、その分、奥利根のダム群の利水容量を増やす。② 奥利根ダム群の奈良俣ダムと藤原ダムとの間で利水容量と治水容量を交換する。
    
イ 八ッ場ダムの検証で前提となった河川整備計画の枠組み
  治水安全度 1/70~1/80
・目標流量 17,000㎥/秒
・河道対応流量 14,000㎥/秒
・ダム等による洪水調節量 3,000㎥/秒
  (洪水調節施設:既設ダム、八ッ場ダム、ダム事業再編※※、烏川河道内調節池)
 ※※ダム事業再編 : アの当時のメニューと異なり、下久保ダムの容量振替がなくなり、②のみとなったため、ダム事業再編の治水効果はアよりかなり小さくなった。それにもかかわらず、ダム等による洪水調節量は逆に2,000㎥/秒から3,000㎥/秒に引き上げられている。

利根川流域市民委員会 賛同団体一覧  2012.5.16現在 33団体

(順不同)
利根川・江戸川流域ネットワーク
水源開発問題全国連絡会
利根川の水と自然を守る取手連絡会
霞ヶ浦導水事業を考える県民会議
高崎の水を考える会
八ッ場あしたの会
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会
八ッ場ダムをストップさせる群馬の会
八ッ場ダムをストップさせる千葉の会
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会
八ッ場ダムをストップさせる茨城の会
八ッ場ダムをストップさせる東京の会
ムダなダムをストップさせる栃木の会
渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会
首都圏のダム問題を考える市民と議員の会
霞ヶ浦・北浦をよくする市民連絡会議
思川開発事業を考える流域の会
ダム反対鹿沼市民協議会
栃木の水を守る連絡協議会
千葉県自然保護連合
千葉の干潟を守る会
藤川をきれいにする会
市川緑の市民フォーラム
耕さない田んぼの会
東京市民オンブズマン
渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える
全水道関東地方本部
水道事業を考える土浦市民の会
スーパー堤防問題を考える協議会
スーパー堤防・街づくりを考える会
希望社会研究所
那珂川ウォーターネットワーク鶴亀隊
アサザ基金

2012年5月12日 (土)

「真の文明とは 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」で締めくくられた再結成集会の報告

八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会の河登一郎さんが、2012年4月に開催された「利根川流域市民委員会再結成集会」の模様をレポートされています。転載をさせていただきます。


2012/04/29 利根川流域市民委員会再結成集会の報告

八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 河登一郎
 寒くて長かった冬がウソのように暖かな4月29日、「利根川流域市民委員会再結成集会」が水道橋の全水道会館で開かれました。参加者は4階講堂一杯の132名でした。

「再結成」の背景は、利根川流域の市民団体が協力しようと2006年に発足したのですが、政権交代後事実上休眠しており、今般の「河川整備計画」策定に当って再発足することになったものです。

1時半から5時近くまで大変内容の濃い意義深い集会でした。
詳細は会議資料をご参照下さい。
   ↓
八ッ場(やんば)あしたの会
利根川流域市民委員会再結成集会の資料

開会挨拶 大熊孝新潟大学名誉教授「八場ダム予定地の現場に立って、自然破壊の激しさとダムのバカらしさを実感してほしい」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
講演:河川整備計画の民主的な策定を!
 今こそ、河川法改正の原点に立ち返ろう

元国交省近畿地方整備局河川部長宮本博司さん

(1)最初は、平成21年の「槇尾川ダム有識者会議」で、ダム工事着手後(橋下知事;宮本氏も退官後有識者メンバーに選ばれた)、紆余曲折を経て結局ダム中止に追い込んだ実例について話された。

中止に持ち込めた理由として宮本氏は、下記を挙げられた。
   ↓
 ①具体論の積み上げ
 ②情報公開(会議の公開、傍聴者発言、マスコミの報道)、及び
 ③住民の生命のための最優先事業

(2)遡って、1997年に長良川河口堰問題が契機になって河川法が改正された時点では、民主的な運営が期待された。当時河川部長だった宮本氏は、「住民の不信感を払拭」するために、淀川水系流域委員会について、

 ①委員は公開選定
 ②情報公開・発信の徹底
 ③事務局を国交省から独立させ「お墨付き委員会にしない」を実行
 
その上で上記のような議論を公開の場で徹底的に行い、大戸川ダムは中止された

(3)治水事業の目的と方法に関する国交省の姿勢と、国民の生命を守る視点の違い

国交省
 ①現役官僚で、本気でダムを造りたい人はほとんどいない
 ②それでも止まらないのは
  ・役人のメンツ(住民に反対されては止められない!)
  ・先輩のやってきたことを否定できない
  ・継続する方が楽
  ・OBの強烈な指示
 
 ③工事継続が目的
  ・美味しい仕事が続けられる
  ・国民の生命への配慮ではない

 ④責任は常にとらない
  ・工事中に洪水=完成前だから
  ・完成後洪水=想定外

 ⑤ダム建設にマイナスになる話はすべてタブーになる
 (例:加古川の実験で、越流には低コストの遮水シートで
    対応可能と分かったがその後はタブー)

国民目線
 ①住民の生命を守ること。何十年もかかる工事中にも洪水の可能性はある
 ②他の政策目標を含めて、何を優先すべきかの視点が重要、
 ③ダムは、大雨で容量を超えれば機能を喪失し、大災害の原因になる
 ④堤防の補強が急務
 ⑤コストを安くする技法はいろいろある
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告

■「利根川水系河川整備計画の経過と今後」嶋津暉之さん

(1)官房長官裁定2条件のうち、「河川整備計画策定」だけが残っている。
前回の計画と前提条件や枠組みを大きく修正したので、新たな条件のもとで本格的な計画を民主的な手続きで策定すべき。市民側の代案も作成したい。

(2)利根川上流から河口まで、ダム以外にも公共事業は無数にある。国交省計画はお金を無限に使う仕組みになっている。

(3)過去数十年続いた公共事業の老朽化が進んでおり、維持管理費・更新費が急増する。

(4)流域住民の安全を守るために:
 ①喫緊の治水対策:・脆弱な堤防強化、・ゲリラ豪雨による内水氾濫対策、
 ②必要性、緊急性ない事業:・ダム事業、・利根川流下能力増強、
 ③想定超える洪水への対策:・壊滅的な被害防止策として耐越水堤防が有効。

■「八ッ場ダム」渡辺洋子さん

(1)工期の遅れ及び経費増大の結果、下流都県との不協和音が予想される

(2)地元住民の生活への不安:客が激減した温泉街、再開までの期間の長さ、
  維持管理費の漸増及び観光地としての不適格・・・
  更に代替地の安全性への疑問

■「思川開発」伊藤武晴さん

■「霞ヶ浦導水事業」浜田篤信さん

(1)霞ヶ浦と那珂川の河川水を交換し水質浄化と水資源開発を図るという、もともと無理な構想で、周辺全8漁業組合が反対・差し止め訴訟。

(2)学者グループも「公益性なし、生態系の劣化」、会計検査院も効果を疑問視。

■「スーパー堤防」渡邉拓美さん

(1)堤防の高さの30倍の傾斜を持つ超幅広の堤防
  コマ切れで治水対策の名に値しない

(2)行政刷新会議の事業仕分けで廃止されたが、縮小してゾンビのように復活

■「なごみ堤」(首都圏氾濫区域堤防強化対策事業)高橋盛男さん

(1)利根川・江戸川の右岸堤防を強化するために、
  1,226戸もの転居を伴う大事業

(2)官僚は高コスト事業に仕上げる
  安上がりの方法があっても内部では話せない

■「稲戸井調節池掘削事業」近藤欣子さん

(1)ダム事業は一旦中止になったが、治水目的で復活
  掘削は必要ない

パネルディスカッション
 大熊先生、宮本さん、嶋津さん;司会まさのさん

締めくくりの提案として、
(1)反対するなら学生を含む1,000~10,000人の大集会を現地で!

(2)具体的/建設的な代案を!

■「国土交通相/関東地整局長宛要請文」神原禮二さん

(1)関係住民の意見を反映させる方法の確立

(2)利根川の有識者会議の民主的な委員選定と運営

(3)ゼロからの河川整備計画の策定作業

■閉会あいさつ:吉田正人筑波大学准教授

田中正造の「真の文明とは 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」で締められました。

                    以上

2012年5月 3日 (木)

再結成集会模様2012年4月29日(日)

「関東平野にも、脱ダムの風よ吹け!
~利根川水系河川整備計画の出直しをチャンスに~」の模様

資料はこちら
入会のご案内はこちらから

開会の挨拶
大熊 孝氏(新潟大学名誉教授)
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河川整備計画の民主的なな策定を!
今こそ河川法改正の原点に立ち返ろう

宮本博司氏講演
(元国土交通省近畿地方整備局河川部長 
前・淀川水系流域委員長)
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「利根川河川整備計画の経過と今後」
嶋津輝之氏報告
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八ッ場ダムについての報告
渡辺洋子 氏(八ッ場あしたの会)
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「思川開発(南摩ダム)に関する報告
伊藤武晴氏(ムダなダムをストップさせる栃木の会)
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霞ヶ浦導水事業に関する報告
浜田篤信 氏(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
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スーパー堤防に関する報告」
渡邊拓美氏(スーパー堤防・まちづくりを考える会)
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なごみ堤(首都圏反乱区域堤防強化対策事業)に関する報告
高橋盛男 氏(利根川・江戸川流域ネットワーク)
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稲戸井調節池の掘削事業に関する報告
近藤欣子 氏(利根川の自然を守る取手連絡会)
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パネルディスカッション
左から宮本博司、大熊 孝、嶋津暉之、まさのあつこの各氏
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国交省への要請文 提案
神原禮二氏(八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会)
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大河原雅子参議委員議員挨拶
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2012年5月 2日 (水)

利根川流域市民委員会への入会のお願い

利根川流域市民委員会へのご入会を募集します。

賛同金一口1000円のお支払いで、ご入会いただけます。
年会費等の定期的な徴収は行わず、
集会等の参加費やカンパで当面の活動をまかなう方針です。

加入団体名は公表しますが、個人加入者の氏名は外部には公表しません。
下記の郵便振替口座に、連絡先や団体名をお書き込みの上、お振り込み下さい。

口座番号: 00190-9-631352 加入者名 利根川流域市民委員会
金額: 一口1000円(複数口、歓迎!)

通信欄に下記事項をご記入下さい。
○団体加入の場合、 団体名:
○連絡先:ご依頼人と異なる場合の住所・電話

団体・個人加入ともに、 利根川流域市民委員会メーリングリストへの登録を
希望される場合は、「ML登録希望」とご記入の上、メールアドレスもお書き下さい。

登録されない場合も、FAX番号かメールアドレスを 書いていただけると、
今後の連絡に際し、大変助かります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お問合せ先:利根川流域市民委員会事務局 深澤洋子
                   Tel/Fax 042-341-7524

2012年5月 1日 (火)

再結成集会 満員御礼

4月29日、再結成集会「関東平野にも、脱ダムの風よ吹け!
利根川水系河川整備計画の出直しをチャンスに!」を開催しました。

【当日資料・関係情報】
http://yamba-net.org/doc/20120429.pdf 
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1626  

【報道】
◆ダムに頼らない計画提言へ 利根川流域市民委が再結成 堤防強化の優位性指摘
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20120429/773393 

国土交通省関東地方整備局が策定中の利根川水系河川整備計画に市民の視点で提言しようと、34の市民団体で構成する「利根川流域市民委員会」の再結成集会が29日、都内で開かれた。

約130人が参加し、洪水にも耐えられる堤防強化などを進めてダムに頼らない計画を提言しようと、議論を交わした。

利根川水系河川整備計画は、本県の思川開発事業(南摩ダム)や群馬県の八ツ場ダム、茨城県の霞ケ浦導水事業などの上位計画。

今後20~30年間に実施する河川整備の事業内容を定める。同会は2006年に発足し活動していたが、09年の政権交代で計画策定作業が中断したのに伴い、活動を休止していた。

政府は八ツ場ダムの事業継続を打ち出したが、ダムの本体着工には同計画の策定が条件とされた。

国交省は現在、急ピッチで策定作業を進めており、同会もこれに合わせて活動を再開させた。南摩ダム訴訟などの原告でもある水問題専門家の嶋津暉之さんらが共同代表を務めている。

集会では元国交省近畿地方整備局河川部長だった宮本博司さんが講演し「本気でダムを造りたがっている現役の役人はほとんどいない」とした上で、ダムよりも堤防強化の優位性を強調。

「安価な工法が確立しており、国交省も実験済み。導入しないのはダム計画が破綻してしまうため、役人のメンツがつぶれるからだ」と指摘した。(宗像信如)
(下野新聞 2012年4月30日 朝刊)

◆八ツ場問い直す 市民団体再結集
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001204300003

八ツ場ダムの建設など利根川水系で進む開発を問い直そうと、各地の市民団体が集った「利根川流域市民委員会」の再結成集会が29日、都内で開かれた。

集会では、八ツ場ダム建設再開の条件の一つの「利根川水系河川整備計画」に住民の意見を反映させ、策定委員を選び直すことなどを前田武志国土交通相らに要望することを確認。

元国交省近畿地方整備局河川部長の宮本博司氏が基調講演し、「治水にはダム建設より、脆弱(ぜい・じゃく)な堤防を強化すべきだ」などと語った。

「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子さんは「八ツ場ダム湖予定地周辺は地層が脆弱。水をためると地滑りが誘発される危険性が高い」とし、安全対策で4600億円の事業費がさらに膨らむと訴えた。

同委員会は、国の計画に市民の声を反映させようと2006年に結成し、34団体が参加。政権交代後に一時休止したが、国の作業再開を受けて再結成した。
(朝日新聞群馬版 2012年04月30日)


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