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2008年5月22日 (木)

利根川 有識者会議への意見書

明日(5月23日)に利根川水系における有識者会議が開催されるにあたり(http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/kisha/h20/05/0106.pdf
利根川流域市民委員会では以下のように意見書を提出いたします。
意見書「p.1-2 080523request.doc」をダウンロード
別紙「p.3-5attached yodogawa.doc」をダウンロード
新聞記事「P.6article.pdf」をダウンロード
 
2008年5月23日
利根川水系河川整備計画策定に係る
有識者会議の委員の皆様へ 

利根川流域市民委員会
共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
       嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
       吉田正人(江戸川大学教授)

 連絡先 深澤洋子 TEL&FAX (略)
      高橋盛男 TEL&FAX (略)
          
淀川水系流域委員会の意見書を踏まえて
利根川水系でもダム等の大規模開発事業を中止し、
河川環境の保全に配慮した堤防の強化を最重点課題とする
河川整備計画の策定を求めます

 第4回有識者会議が開かれるにあたり、私たちの意見を申し上げます。
 去る4月25日に淀川水系流域委員会は、近畿地方整備局に対して「淀川水系の4ダム計画の見直しと、堤防の決壊を回避するための堤防強化対策」を求める「淀川水系河川整備計画原案に対する意見」を提出しました。
その内容は別紙のとおり、「治水効果が希薄で環境への影響が大きいダム建設を整備計画に位置づけるのは適切ではない。破堤による壊滅的な被害を回避・軽減する堤防強化対策に最優先に取り組むべきである。」というものでした。
 この意見書の内容はきわめて合理的な考え方によるものであり、利根川にも当てはまるものです。利根川ではダム建設等の大規模な開発計画が推進される一方で、堤防の不安定な状態(流下能力の不足と堤防強度の不足)が長年放置されてきた経緯があります。
 また、後述するように現在、利根川の一部で堤防強化事業が進められていますが、それらは必要以上に過大なものであり、河川およびその周辺の環境に多大な打撃を与えることから容認することはできません。利根川では、大規模開発事業を優先する誤った河川行政が進められてきており、重ねて喫緊の治水対策である堤防強化も、適正さを欠いたものになっているのです。
 この由々しき事態を改善するため、有識者会議において下記1、2、3に示す審議を行うことを要請します
なお、有識者会議は委員のみで議論を進めるべきではありません。私たちは一昨年12月に「利根川水系河川整備計画の策定において住民の参加と科学的な検証を求める」意見書を各委員に提出しました。そこに記しましたように、有識者会議が住民参加の道を開くよう、次の3点をあらためて要請します。
①有識者会議は、流域住民の意見を聴く機会を設けること
②有識者会議の中で傍聴者に発言の機会を与えること
③有識者会議は、住民からの意見書・要望書を取り上げて十分に審議すること

1 淀川水系流域委員会の宮本博司委員長を有識者会議に招聘すること

上述のとおり、淀川水系流域委員会は「淀川水系の4ダム計画の見直しと、堤防決壊の危険性を防ぐための堤防強化対策」を求める意見書を提出しました。この意見書の内容は利根川水系河川整備計画にも十分に反映されるべきものです。利根川水系の有識者会議の本来的役割は、淀川水系流域委員会と同様、地方整備局が示す方向性を原点からチェックすることにあります。その役割を果たして上記の意見書をとりまとめた淀川水系流域委員会の宮本博司委員長を有識者会議に招聘して、宮本委員長の見解を聞くことを求めます。是非、利根川水系の有識者会議として宮本委員長の招聘を実現してください。

2 利根川水系で工事中または計画中の大規模開発事業の必要性・緊急性の有無と環境等への影響を徹底審議すること

利根川水系で次の例に示すとおり、環境と地元住民の生活に大きな影響を与える大規模開発事業が計画され、工事が進められています。それらはいずれも、淀川水系の計画中の4ダムと同様に、必要性、緊急性の乏しいものばかりです。有識者会議でこれら大規模開発事業の必要性・緊急性の有無と環境等への影響を徹底審議することを求めます。
 ①八ッ場ダム建設事業
 ②思川開発事業(南摩ダム)
 ③湯西川ダム建設事業
 ④霞ヶ浦導水事業
⑤渡良瀬遊水池の大規模掘削事業
⑥稲戸井調節池の大規模掘削事業
⑦ 印旛沼を使う利根川放水路計画
以上のほかに、利根川中流部右岸と江戸川右岸で首都圏氾濫区域堤防強化対策事業が進められています、この事業は堤防強化とはいえ、堤防の裾野を必要以上に大きく広げるもので、1,000戸規模の移転と巨額の事業費を必要とし、河川およびその周辺環境に大きな影響を与えることが憂慮されています。堤防強化に名を借りた大規模開発事業ですので、その必要性・緊急性の有無、環境への影響も徹底審議すべきです。

3 利根川本川及び支川において流下能力が不足している箇所、堤防強度が不足している箇所の実態を把握すること 
 
私たちは関東地方整備局への情報公開請求によって利根川本川及び支川の直轄区間で流下能力が不足している箇所と堤防強度が不足している箇所を調べてきました。その結果、利根川においては流下能力が大きく不足している箇所が数多くあること、また、堤防強度が不足して洪水時には破堤の危険がある箇所も数多くあることが明らかになりました。その結果はあらためて各委員にお知らせしますが、有識者会議においても、関東地方整備局に対し、流下能力不足箇所と堤防強度不足箇所のデータの提出を要求してそれらの実態を把握することを求めます。              
 以上

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