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2006年7月26日 (水)

Q&A(プロセスを一緒に作れないですか?)

利根川水系河川整備基本方針の中身に関して、利根川流域市民委員会が国交省にヒアリングを行った際の質疑応答の概要です。(その5)

プロセスを一緒につくりましょう

住民意見を反映させるために

利根川流域市民委員会「関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」と法にはあります。よくあるのは公聴会で聞きおくという形だが、おそらくそれでは意見の反映は難しいのではないかと思います。そうすると公式の住民の委員会のようなものもあるだろうし、非公式のいろいろな会合があってもいいのではないか。私のところの江戸川で非公式に年に3回か4回会合をやっているんです。現地も一緒にいきましょうと、年中、意志の疎通を図っている。お互い役に立つから。市民はそれぞれ専門の英知をもっている方が多い。それを公聴会で措置したというのではなく意見の交流が継続してできるような仕組みを本省の方から今回の場合は関東地整局ですけど、指導を是非、指導じゃない、先ほど一心同体だとおっしゃっていたのであうんの呼吸できるんじゃないかと(笑)、是非、お願いしたいと思います。この点についてもしご意見、お考えがあったらお聞かせください。

国交省:河川法の中に3つのことが書いてあって、ひとつは学識者の意見、これが流域委員会が本来の姿になってくる、もうひとつは住民意見を聞く、ここにはおっしゃったように「反映」という言葉が書いてある、もうひとつが市町村のご意見、これは計画策定に対して非常に重い。「反映」については手続きを常にしっかりせざるを得ない。公式の場、その他の場、いろいろな市民団体と付き合ったり現場もいきましたけど、ぜひ、敵対でなく、そうしていきたい。

利根川流域市民委員会710日に「利根川流域市民委員会」発足のお知らせをもって竹本さんに対応していただきましたが、そのときに、「関係住民の意見反映の方法を含め、利根川水系河川整備計画策定の手続きについて、私たちとの意見交換を早急に持っていただきたい」と要望したわけなんですね。そのときのお話では、「このお知らせを受け取るのはかまわないが、意見の聞き方を含め、何も決まっていないし、本省と相談しないと決まらない」とのことでした。それでは今、そうしていきたいというようなお話でしたが、

国交省:誤解があったようで、ギリギリした場ではなく、心の通うようなというところは本当に僕はそう思います。

長妻議員:そうであれば、定期的に2ヶ月に一遍とか日時を決めて関東整備局と。

国交省:さきほどの話は個人的な公私の私の方で、日曜日だろうが出かけていってというのはという話を申し上げているので、役所の方としては、整備計画の策定の話はさきほど申し上げたきちっとして対応すべく、ただ、皆さんの方でこんなことができるのではないかとおっしゃることができるかどうかということついては。

長妻議員:皆さんの方は定期的に会合を持つのは?

利根川流域市民委員会それはしていただきたいですね。

利根川流域市民委員会住民の意見を吸い上げるメニューをどうやっていくかはとても重要だと思うんですね。

国交省:シンポジウムをやったりいろいろな工夫をやっていかなければならないと思います。

利根川流域市民委員会今後、住民意見を吸い上げる場所とかシステムを考えていくのはいい機会ですから、メニュー作りを一緒にやってみるのはどうかと。

国交省:いろいろな工夫はやってくと思うんですけど、いろんな方がおっしゃることをすべてやらないと思われたら・・・法律上の基本的な枠組みは法律上のたとえば住民意見の聴取、反映と書かれていればその工夫をしていくということは我々も。

利根川流域市民委員会最悪のケースは公聴会を開いて終わりというケースもあるわけですね。さきほど長妻議員がおっしゃった通り定期的に関東地整局と話し合いを。

長妻議員:では皆さんが定期的にやる必要があると思えば、今の話も非常に有意義ですから、たとえば2ヶ月に1辺、定期的に例えば、我々の事務所が主催でもいいですからこの場で会って、皆様と一緒にお呼びしてということもありうるわけですよ。それもぜひ検討していただきたい。確かに心のふれあいも言いましたけど、あまりギチギチと言った言わないのつめないでと言いましたけど、それじゃ意味はないわけで、そこで言質を取る、しかも皆さん手弁当でしかも真剣勝負で来られているわけで。そういう意味ではきちんと記録が残るような、これ流域委員会という公式な委員会みたいなものを設置してそこに市民の代表を入れるとかそういう発想はないの?

国交省:いろいろなやり方がありますが、学識者の意見を聞く、市民の方のご意見を聞いて反映させるというような工夫はしていきたい。

利根川流域市民委員会そういう組み立てというのは関東地整とやっていくということでしょうか。その辺のことがはっきりするとこの間提案したような・・・

長妻議員:そうすると皆さんの方から必要なときに、関東地整の方に連絡いただいて、関東地整が会わない会わないとなれば、またこの場所で議論を持つと、そういう二段階方式で。

利根川流域市民委員会その場合は連絡先は関東地整の河川計画課長でよろしいんでしょうか。

長妻議員:ここに来ている方が窓口で。

(略)

利根川流域市民委員会僕らは何も僕らだけと話し合いをして欲しいと言っているのではなく、今もいろいろな団体に、一緒にやりませんかと声がけをしています。いろいろな接点や組み立て方がある。地域性もあるでしょうし。仲良しこよしやっているところも対立関係にあるところも、理解が深いところも浅いところもあるでしょう。流域住民の意見を吸い上げるそういうプロセスを一緒に作っていくのはできないですか?

利根川流域市民委員会意見を聞くっていうより、できるだけ合意形成をはかるっていうつもりでしょ?そうですよね。

国交省:はい。

長妻議員:そしたら、いきなり局長が流域委員会を作りませんとかいう話じゃなくて、せめて決まる一ヶ月ぐらい前に、一ヶ月後には決まりますよというのを必ず、我々の方にちょっと連絡をいただきたい。

利根川流域市民委員会:一ヶ月ですか??(笑)

(ヒアリング報告終わり)

2006年7月25日 (火)

Q&A(方針と計画の関係は?)

利根川水系河川整備基本方針の中身に関して、利根川流域市民委員会が国交省にヒアリングを行った際の質疑応答の概要です。(その4)

河川整備基本方針と河川整備計画の関係

計画ができないときは方針に立ち戻る

利根川流域市民委員会:日本の財政が極めて厳しい。政府が先月決めた骨太方針でも、公共事業の削減が重要政策の柱になっている。野心的なスーパー堤防など、全部やったとしてどれくらいの予算なのか。今回の骨太方針でどれくらい見直さねばならないか。優先順序をつけるとしたらどうつけるのか。

国交省:全体がいくらかは出しておりません。骨太方針では公共事業で3%の減少ぐらいかなと思っています。優先順序を決めるのが整備計画だと思っていますのでその中で議論をしていく。全体の計画は20年、30年のオーダーの中でできるものではないので、その中から優先順序の高いものを整備計画の中で位置づけて実際事業を進めていくのかなぁと思っています。

利根川流域市民委員会:そうすると方針というのは何なんですか。

国交省:長期計画。本当に長期の計画として、100年の大計の中でやっていくマスタープラン。ですから、いまできる中でのやれることを続けながらやっていく。いくらいくらという細かい試算をはじくことはやっておりません。利根川流域にたくさんの人が住んでおられるので、安全確保するために利根川をどうしたらいいかという観点の中で非常に苦しい、大きな川の中で上流、中流、下流それぞれバランスよく守っていかねばならない。放水路を作ったり池で受けたり上のダムで抑えたり、大きな川で難しい中で我々計画する。それをやるには2030年の整備計画で具体的なメニューを入れた計画を、何回も順番に積みあがっていく中でこれを実現していくということ。

ですからその道筋は非常に重要なことです。ですから整備計画を立てることは重要なことであって、その中で皆さんの貴重な意見をいただいて組み立てながら、整備計画で一歩一歩刻みながら実現をしていくと。その中で社会が変わっていく中で社会にあったような形に、また技術革新があればそれを取り入れたような形で。だから詳しくギチギチつめるんじゃなくて、長期的な方針としての道筋を決めていると、ある程度ご理解をいただいたほうがいいと思います。

長妻議員:基本方針を実現するとすればだいたいいくらぐらい

国交省:試算をしていない

長妻議員:していない?たとえば一兆円なのか、一億円なのか、一千億なのか、どれくらいの単位?

国交省: ・・・・

利根川流域市民委員会:明確にこれいくらこれいくらではなく100年でどれくらいの投資をするのかというつかみでいいです。それから河川整備基本方針と河川整備計画との関係として長期計画で100年で、やれるところからやっていくと。それで時代によってニーズも変わってくる、それによっては整備計画も変わっていく可能性があるということだったと思うが、それはここで少し舵を切ったと理解していいんですか?

国交省:長期的な基本方針の性格の中で、基本計画がコロコロ変わるということはないですね。これは積み上げていくものですから。ひとつひとつの中で技術的に対応できるものは、方針の流れの中で取り入れていくことは十分にできる。

利根川流域市民委員会:国として膨大な計画がたくさんあるわけですからコストを下げることはこちらそちら関係なく日本国民として絶対必要なことだと思うんですね。そこで要望が二つ。ひとつは公共事業に談合を絶対に排除して欲しい。もうひとつの方法として民の英知を利用していただきたい、民には学識も経験もいっぱいある。資料の1ページに公聴会による住民意見の開催とかいてありますが、公聴会だけでなく委員会に一緒に入ってもらうとか是非、民の知識を合理的に吸い上げていただきたい。

長妻議員:国交省が利根川水系で今計画しているすべての事業、何百あると思うが、それを出していただいたて。本当は国会で優先順序決めたほうがいいんですよね、それを皆さんに提供するように。

利根川流域市民委員会:河川整備基本方針と河川整備計画との関係について聞きたいんですが、97年の河川法改正のときに、この問題が国会で問題になったときにどう言われたかというと、「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする」、つまり基本方針を変えることもありえますということだったんでね。この件で、昨年12月に日弁連などが行ったシンポジウムでも、元河川局長の竹村公太郎さんも同じようなことを言われたんですね。今さっき印旛沼の放水路計画もですね、整備計画でできないと議論になった場合ですね、フィードバックして基本方針を変えるということもあるんですか。

国交省:印旛沼に限らず、国会答弁ですから、整備計画ができなければ、基本方針に立ち返ってという答弁については変わりませんので。

利根川流域市民委員会:基本方針の内容を変えるということですね

国交省:そういう答弁ですよね。

利根川流域市民委員会:そうです。局長答弁です。

国交省:答弁の通りです。そういう答弁を申し上げているのですから、改めて確認を申し上げるまでもないことです。

利根川流域市民委員会:国交省はその文言をどう受け取っているのかということです。

国交省:国交省が答弁をしたんです。

利根川流域市民委員会:今、もう一度それを説明をしてください。

国交省:だから説明も何もその通りです。

利根川流域市民委員会:その通りでもいろいろな受け止め方があるから。

長妻議員:僕は答弁をもっていないから、どんな答弁だったんですか?

国交省:おっしゃったような話でね、嶋津さんがおっしゃったように整備計画ができないとなれば、方針にフィードバックすることもありますと。

長妻議員:整備計画が・・・

国交省:整備計画が基本方針に基づいて検討されるわけですよね。その整備計画をやろうとしたら、いろいろな事情でできなくなった場合はどうするかという質問がありまして、そのときは基本方針に立ち戻ることがありますかという質問に対して、その時は基本方針に立ち戻ってやりますという答弁でした。

利根川流域市民委員会:内容を変えるのかという?

国交省:変えるということは内容を変えるということ以外、何もない。長期にやらなければならないことと具体的なことが混在するのが社会ですから。

利根川流域市民委員会:方針と整備計画は、上位計画と下位計画だと思ったんですが、方針は事業に対する理念なんですか?

国交省:基本方針で大きな方向性を整備計画で具体的な事業を行います。

(その4終わり)

Q&A(計画は10倍でも変わらず?)

利根川水系河川整備基本方針の中身に関して、利根川流域市民委員会が国交省にヒアリングを行った際の質疑応答の概要です。(その3)

印旛沼が10倍の調整池に

でも、大きな改変をしないってどういう理屈?

利根川流域市民委員会 印旛沼がすべての面にとって住民生活にかかわってくる問題なので、利根川放水路の計画が大きく変更され、印旛沼が調整地として活用されることについて危惧をいだいています。佐倉市でも平成8年、13年と5年おきに内水被害が起き、今年が5年後にあたり心配。現状においても、市街化が進み、都市排水を沼に流している状態です。計画変更が現実的になると大規模掘削、浚渫、放水路の開削が行われるようなんですが、印旛沼の関係自治体や団体などとはどのような協議をしたんでしょうか。

国交省:・・(沈黙)・・自治体の首長さんにどこまで話をしたかというと・・・(長い沈黙)直接問い合わせなどあれば、利根川の下流事務所と地元自治体首長さんといろいろな話をする場で話があったかと思いますが、基本的には県に話をしています。基本方針ですので、どういう整備をするか環境に対する影響とか細かいところまでは進めてございませんので、整備計画の中で、基本的には浚渫をしないできるとは思っているんですけど、大きな改変をしない形でやろうと思っている、内水にも影響のない形で、具体的な話は整備計画の中で話す。自治体には千葉県を通じてご了解を得た形で整備計画を進めていきたいと思っています。

利根川流域市民委員会 そんなに大きな変更はないという話だったが、これ(基本方針)を見ますと、洪水時に利根川から印旛沼に1,000トン/秒が入っていくことになりますと、印旛沼から利根川への現在の排水施設の能力は92トン/秒なので10倍以上になる。そう考えますと、大変な工事になるのではないかなと。もう1点、千葉県で印旛沼流域水循環健全化会議が進められています。自治体、NPO、住民団体が浄化や環境など幅広い分野で水循環を良くしようと動いていますが、そうした方たちの中でも整備方針、治水計画に関しても、正しい情報が伝わっていない。整備計画に入る前の段階にでも国交省のほうや関東地整の方で説明を行なうなど、何かこれから考えておられますか?

国交省:健全化会議は県ですね、県の方と相談をしてもらって、それで来いと言われれば参りますし。 

利根川流域市民委員会 印旛沼から利根川に洪水を流す施設があってこれは92トンですよね、1000トンですから10倍を持ってくるわけですね。どうやってやるんですか?

国交省:ポンプで排水することを前提としての92トンだと思うんですけれども、(今後の計画は)川ですから、流れ、水面の勾配、幅など考えればそれなりの大きな川なので、1000トン流すことは、ま、今のままでできるかどうかは少し検討が必要ですが、そんなに大規模にしなくても。

利根川流域市民委員会 1000トンを入れて印旛沼で調節することになっているが、そのためにはその5時間分、1800万トンの容量が必要です。今の印旛沼の貯水量は約2000万トンなんです。そうすると空の容量を作らないといけない。具体的な数字は出せるんですか?

国交省:整備計画で()

利根川流域市民委員会 1000トン入れる確率はどれくらいですか?

国交省:大きな洪水のときだけです。

利根川流域市民委員会 印旛沼に1000トン、浚渫もせずに入れられるなんて誰も思わないですよ。そのままだと。 

長妻議員:印旛沼周辺に住んでおられる方にとっては大変な話で、私も全然素人ですけれども、(現状)92トンのところを、印旛沼をいじらないで1000トンを流す可能性、その理屈はどうして?

利根川流域市民委員会 (笑)

国交省:1000トンいれまして、ポンプである程度、吐きながらという形になると思いますが、吐く容量と印旛沼の今もっている治水容量とのバランスの中で・・・・基本的に印旛沼で雨が降っているときには、本川はそんなに雨は降っていませんので、で、本川の1万トン近くの水がくるときには基本的には印旛沼では、もう晴れてて。

利根川流域市民委員会 (笑)

国交省:利根川はね、下流部のピークが来る時間は3日かかって水位があがってきますが、当然印旛沼が雨が降っていれば使えない。いろいろなパターンがありますが、空いている場合が多いので、そのときはその治水容量を使わしていただくという考え方です。

利根川流域市民委員会 雨降ったら使えない

国交省:印旛沼のところで降ってて、たまたま2日前に利根川で降ったときは入れられませんので、そのときは人工操作になりますから。

長妻議員:いまみたいな話はバックデータはあるの?

国交省:情報開示にのっとって

長妻議員:国政調査権を背景に質問しているんで(笑)、国家機密でもなんでもないんで、このバックデータと、さきほどの烏川8800トンの根拠データを一週間後に。

利根川流域市民委員会:千葉県千葉市では業務をやっている担当が知らない。どうなっているのかと聞くと、これは国がやっている、という。自治体がNOと言ったら基本方針に遡って考え直すんですか?

国交省:小委員会の中でも千葉県の方に来ていただいて県としてはご了承いただいている。

長妻議員:何月何日にどの自治体に説明をしたかの一覧表も資料として提出を。

(その3終わり)

2006年7月24日 (月)

Q&A(効果は上がるけど変わらない?)

利根川水系河川整備基本方針の中身に関して、利根川流域市民委員会が国交省にヒアリングを行った際の質疑応答の概要です。(その2)

烏川から本線に流れ込む流量について

効果は上がるけど変わらない?

利根川流域市民委員会:6000トンを500トン下げればなんとかなるという。これからパターンをつめていくという曖昧な感じ。つめていかないとわからないんですね?

国交省:500トンという数字そのものは、元々は河道の方からひっぱっていった数字で、元々16千トンと言っていたのを、洪水調整施設を作るのは難しいと理解していますので、できるだけ下流の河道でやりたいと。どれだけできるかを検討したところ、1万6500トンに増やすのはなんとかなるだろうと。それをもとに5500トンが出まして。500トンについてはなんとか対策すると。

利根川流域市民委員会:群馬県から来ました。20051110日の上毛新聞に烏川に大規模貯水池と見出しがでました。具体的にどのようなことを河道内でするんですか?どんな構造で。

国交省:具体的に言われるとあれなんですが、利根川と烏川の合流点近くを使って調節していきたいなと。基本的な構造は下流の調整池とかありますよね、ああゆう構造になるかと思います。

利根川流域市民委員会:下久保ダムの再編や烏川の調整池などで効果を上げるのに、なぜ烏川から(本川に流れ込む)8800トンというのは、工事実施基本計画(旧計画)と変わらないのですか?

国交省:(烏川から本川に流れ込む)8800トンは同じですけれども、(本川を流れる)16500トンは16000トンに減ります。烏川のほうは施設はいろいろ想定した中で、変わらないだろうという結果だったので。

利根川流域市民委員会:じゃ、減らない(効果は変わらない)じゃん(笑)。          

国交省:・・・・・

利根川流域市民委員会:基本方針は本省の河川計画課が作っているんですよね。何故説明されるのが(地方整備局)渡邊河川調査官なんですか。

国交省:役割分担、一心同体で(笑)。

(その2終わり)

Q&A(上流の洪水調整施設再編って?)

利根川水系河川整備基本方針の中身に関して、利根川流域市民委員会が国交省にヒアリングを行った際の質疑応答の概要です。(その1)

上流の洪水調整施設について

いろいろなパターンがあり決まっていない?!

利根川流域市民委員会:利根川上流河川事務所のHPに出ている利根川上流(八斗島上流部)で必要なダムの治水容量が59千万トン。既設の6ダムに八ッ場ダムを足しても1億8千万トンです。残りの4億トン分をどう達成するのですか?

国交省:いろいろな洪水調節施設があり、そのいろいろな組み合わせがあります。基本方針は整備計画を全部決めるものではありません。烏川ではいろいろな施設を振り分けることで(八斗島基準地点での計画高水を)500トン減らして5500トンに減らせば、なんとか上流の洪水調整ができます。

利根川流域市民委員会:治水容量59千万トンも減らすわけですね?

国交省:(計画高水)6000トンを5500トンにするので同じ数字には当然なりません。洪水調整施設も当時想定していたものとは変えていますので

国交省:いろいろなパターンがあり決めていません。施設計画は整備計画で決めさせてもらいます。この数字から今約6億トンが4億トンになりましたとか、3億トンになりましたとか、やっぱり6億トン要りますとか、いろいろなパターンがあります。

利根川流域市民委員会:ダムの再編成などをするということですが、その容量はどれくらいなりますか?

利根川流域市民委員会:今まで必要だと言っていたのが、す~っと消えるんですね(笑)。

国交省:消えるわけでは・・・。効率のよい使い方をしようと。同じ容量でも洪水調整容量は増えますので。

利根川流域市民委員会:そうすると6億トンという数字はなくなる?

国交省:6000トンが5500トンになるだけでもだいぶ違いますから。6億トンはなくなります。

利根川流域市民委員会:なくなるんじゃん(笑)。

利根川流域市民委員会:6000トンを500トン下げればなんとかなるという。これからパターンをつめていくという曖昧な感じ。つめていかないとわからないんですね?

(その1終わり)

2006年7月22日 (土)

国土交通省からヒアリング

719日、利根川流域市民委員会は、国土交通省より利根川河川整備基本方針についてヒアリングを行いました。

ヒアリングは衆議院第二議員会館会議室にて開催され、国土交通省からは河川局河川計画課・布村明彦課長ほか3名、さらに関東地方整備局から渡邊泰也河川調査官ほか1名、計6名が出席しました。私たち利根川流域市民委員会からは東京、埼玉、千葉、群馬などから20名が出席し、2時間に渡り質疑応答を行いました。

質疑の概要は後日、ご報告します。

719

2006年7月17日 (月)

国土交通省 関東地方整備局に提出

プレスリリース:利根川流域市民委員会は、710日、以下のお知らせを国土交通省関東地方整備局・門松武局長に提出し、埼玉県庁の記者クラブで記者会見を行いました(掲載記事は以下に)。

平成18710

国土交通省 関東地方整備局

局長 門松 武 様

「利根川流域市民委員会」発足のお知らせ

発起人

 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)

 嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)

連絡先

 深澤洋子 〒187-0001 住所○○TEL&FAX ○○

 高橋盛男  270-2243 住所○○TEL&FAX ○○

 このほど、私たちは利根川流域で川にかかわる活動をする団体、および川に関心を持つ人々により「利根川流域市民委員会」を発足いたしました。

 現在、国土交通省では、平成18年2月に策定された「利根川水系河川整備基本方針」に基づき、「利根川水系河川整備計画」策定の準備作業を進めていると聞きます。言うまでもなく、新河川法では河川整備計画の策定に際し「関係住民の意見を反映させる」こととしています。

 流域は、源流から下流、そして川が注ぎ込む海までが一連となり、多様な自然とまちを内包して広がり、人の暮らしを支える重要な資源であるとともに、人間以外の生き物にとってもかけがえのない生息の場となっています。

 私たちは日々の活動を通じ、立場や暮らし方の異なる上流域から下流域までの住民が連携し、川と流域に対する理解を深め、これからの治水・利水・環境保全のあり方について、公共事業の見直しを含むゆるやかな合意を形成していく必要があると考えています。

 私たち利根川流域市民委員会は、利根川水系河川整備計画策定への参画を前提に、流域住民の連携をはかり、そのゆるやかな合意に基づく意見が同計画に反映されるよう働きかけることを目的とし、流域市民に本会への参加を呼びかけていく所存です。

 つきましては、本委員会発足の趣旨をご理解のうえ、関係住民の意見反映の方法を含め、利根川水系河川整備計画策定の手続きについて、私たちとの意見交換を早急に持つことを要望します。

(2006年711日報道)

読売新聞埼玉版

利根川水系の整備市民交え議論を 流域23団体が『委員会』

 利根川流域の市民団体が10日、河川行政に意見を反映させることを目指す「利根川流域市民委員会」を発足させた。国土交通省が策定を進めている利根川水系河川整備計画に、無駄なダムの建設などが盛り込まれないよう、市民が参加する「流域委員会」の設置を求めていく。市民委員会に参加したのは、「利根川江戸川流域ネットワーク」など、東京、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の6都県で活動する流域の市民団体。

 河川整備計画では、1997年に改訂された河川法に基づき、今後20~30年間に行う事業が定められる。ダムなど具体的な河川施設が明記されるが、市民委員会は「過大な洪水を想定した群馬県の八ッ場ダムなどが計画に盛り込まれる可能性が高く、十分な議論が行われるべきだ」(発起人の嶋津暉之さん)としている。

 流域委員会は、近畿地方整備局が淀川水系河川整備計画の策定にあたって設けた例があるが、関東地方整備局は「流域委員会に法的な根拠はなく、設置するかどうかは未定」(河川計画課)としている。

朝日新聞埼玉版

利根川水系流域住民の組織発足整備計画に参画目指す

 国土交通省がつくる「利根川水系河川整備計画」に流域住民の意見を反映させようと、住民らでつくる「利根川流域市民委員会」が10日できた。委員会は、関東地方整備局に、意見の繁栄方法を含め、意見交換をするよう要望した。

 河川法が97年に改訂され、整備計画を策定する際住民の声を反映させることが義務づけられた。委員会は利根川水系の整備計画に参画しようと、東京都や埼玉などの23団体でつくられた。市民団体「利根川・江戸川流域ネットワーク」などが関係団体に呼びかけた。

 委員会の発起人の一人で、三郷市に住む嶋津暉之さんは、同日、県庁で開いた記者会見で、八ッ場ダムや渡良瀬遊水地の掘削事業など、九つの事業が治水・利水対策として必要かどうか議論するべきだと主張。流域住民の参加をさらに呼びかけていくという。

利根川流域市民の皆様へ

 利根川流域市民委員会にご参加ください。

 本市民委員会にご参加くださる方は、下記申し込み書の各項目を記載し、下記の連絡先(深澤・高橋宛)にメールでお送りください。

 ※ 本委員会の第三回会議は、730日(日)13:30-16:30、埼玉会館(浦和駅西口徒歩6分)3B会議室にて開催します。ご出席頂ける方は、参加申込書にその旨、ご記入下さい。

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利根川流域市民員会に参加します 

    *1)または2)、及び3)以下をご記入下さい

1)団体参加

団体名:

代表者名:

事務局所在地:〒

事務局連絡先:  T:              F:

担当者氏名:

E-mail:      URL

主な活動内容:

2)個人参加

氏名:

住所:〒

連絡先:T:        F:

E-mail

3)流域市民委員会MLへの登録希望:

4)利根川水系河川整備計画への意見等:

5)流域市民委員会への要望等:

6)第3回会議(7月30日)に

       出席します      欠席します

連絡先 深澤洋子 高橋盛男 

-mail:tonegawashimin@yahoo.co.jp(共通)

2006年7月16日 (日)

「利根川流域市民委員会」発足宣言

 このほど私たちは、下記の理念に基づき「利根川流域市民委員会」を発足いたしました。
 現在、利根川流域では、国土交通省により「利根川水系河川整備計画」が策定されようとしています。この計画は、利根川の治水、利水にとどまらず、環境、まちづくり、農林漁業や観光などとも深くかかわり、流域で暮らす私たちの将来を大きく左右する可能性があるものです。
 一方、新河川法では、この整備計画の策定に際し「関係住民の意見を反映させる」こととしています。これに基づき今後、国交省により何らかのかたちで、住民意見を収集する場が設けられるものと思われます。
 私たちは、この「住民意見の反映」に際しては、利根川の上流・中流・下流の住民たちが、お互いの情報と意見を交換し、連携をはかりながら、住民の視点に基づく河川施策を提言していく必要があると考え、本委員会をつくりました。
 今後、私たちは、住民意見がよりよいかたちで整備計画に反映され、実現されるよう、行政・政治・報道機関および流域住民に対して情報発信をしていく所存です。趣旨にご賛同くださる皆様の、本市民委員会へのご参加をお待ちしております。

 利根川は誰のものでしょう。
 利根川は源流から下流、海までが一連となり、
 多様な自然とまちを内包して広がっています。
 利根川は、その広大な流域に暮らす私たち皆のものです。
 そして、人間以外の多様な生き物たちのものでもあります。
 私たちは流域全体を見据え、
 そこに暮らす流域市民が地域や立場を越えて連携し、
 治水・利水と自然環境の保全が調和する利根川の将来像を、
 行政に提案していくことを目的に、
 この「利根川流域市民委員会」を発足させるものであります。

                                              2006年7月10日

 利根川流域市民委員会 発起人
  佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
  嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)

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